ブレーメンの映画館で上映されているメガヒットの邦画「国宝」、3時間の長大作です。
先日見てきたばかりなのですが、もう一度内容を確かに理解したく、再度鑑賞してきました。
小説をもう数回読み込んでいるため、上映は三時間とはいえ、物語のいいところどりをしたダイジェストという感覚は否めません。
でも、役者さんたちの演技は、やっぱり素晴らしかったです。ストーリーの要所要所を省いているのは、物語の全容を知らなくても気にならないほど、歌舞伎の華やかさと裏の顔が対比され、凝縮されています。
文庫本の装飾カバーは人気イラストレーターの岡野玲子さんが手掛けたものです。上巻の青春篇は戸惑いつつも道を究めようと進む若者の表情が、下巻の花道編は妖艶な女形の朱色のイラストです。物語りのイメージを的確に表現していて、読み手の想像力を高めていくのです。
血のつながりによる看板と、それに負けない才能と努力、その対比がとにかく考えさせられます。上下巻の小説カバーの紅白のコントラストのごとく、その二つが両極端だからこそ、しゅん坊と喜久雄の友情とキャリア、苦悩が見事に描かれているのです。吉沢亮くん、横浜流星くん、二人とも本当に美しい踊りでした。
家柄が良くても、才能がなくてはダメ、話にならない。
才能を開花させ努力しても、それを支える血筋がないと、また難しい。
そして、歌舞伎の名家の嫁を演じる寺島しのぶの母としてのジレンマが、見ていて苦しかったです。我々の家族は。まったくもって家柄などと呼べるものはありませんし、秀でた才というのもありません。努力、そして努力ということを積み重ねていくのが、精一杯の平均的な家族です。
娘と息子もこの映画を鑑賞して、日本の伝統芸能歌舞伎に興味を抱いたのはもとより、血縁と才能を持つ持たないことへの危うさと大切さを感じたようです。
なお、映画館には才能あふれるブレーメンで活躍する声楽家の面々がおいででした。芸を極めるという姿勢は歌舞伎役者と同じなのでしょう。私の映画の感想と、彼らの印象はまた別なのでしょうが、舞台に立つ心構えや息遣いなどがすごく勉強になったと話していらっしゃいました。
へぇ、素晴らしいですね。
「国宝」、本当に見ごたえのある映画です。機会があれば是非。








