
本好きの私は、ブレーメン中央図書館と書店「Thalia」には定期的に足を運んでいます。
タリアには英語フランス語イタリア語の書籍や雑誌が置いてあって、多言語ヨーロッパの出版界を支えています。
そんな中でも、アジア文学コーナーが設けられていて、読書好きなお客さんのアジアへの関心の高さと、書店側からの国際的な視野を広げてほしいという意図が感じられます。
嬉しいことに東野圭吾さんの小説がドイツ版となって並んでいます。「kleine Wunder um Mitternacht」

直訳すると「真夜中の小さな奇蹟」というタイトルですが、「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のドイツ語版なのです。感動のタイムトラベルの物語、東野さんの代表作です。私はもちろん日本語でですが、何度も何度も読んでいる心温まるお話で、大好きな東野作品です。
ドイツ人の読書ファンにも、絶対このファンタジーの素晴らしさが理解できるはずです。
「kleine Wunder um Mitternacht」15ユーロ ドイツ人の彼氏彼女、もしくはお友だちのいる方、プレゼントにお勧めです。
石田祥 猫を処方いたします

ベストセラーとなっていて、シリーズが4冊出版されている石田祥さんの小説、ドイツ語タイトルは「Das Gück bringt eine Katze(猫がもたらす幸せ)」として販売されています。
犬好きだけでなく、猫好きも多いドイツです。表紙の絵にはニャンコと和服姿のお嬢さんが描かれていて、日本が舞台ということで、猫マニアだけでなく、日本に興味のある人にもインパクトを与えています。一冊22ユーロと少々高いですが、300ページを超える長編ですのでお許しを。
柏井壽の「鴨川食堂」が「失われたレシピのレストラン Das Restaurant der voeorenen Rezepte」としてシリーズ4冊が並んでいて、話題を集めています。

京都を舞台に伝統的な日本料理の美味しさが紹介されている上に、かつて食べたことがあるがレシピがわからない、そんな思い出の料理を再現してくれるというハートフルな場面がありユニークです。
我が家の娘と息子は、この小説にいたく感動していました。憧れの古都京都の街並みが描かれていて、しかも短編を集めた一冊で、とても読みやすいからです。料理に興味のある人や、読書にはまってほしい青少年へお勧めしたい小説です。

その他にも、「森崎書店の日々」八木沢里志が人気です。30の言語で翻訳されている世界的大人気の小説です。
「読書という癒しの力によって人生を取り戻し、新たな友情を育む若い女性の物語」といった構成が、世界の出版関係者を喜ばせています。
「本と友だちになろう!本は自分を救ってくれるよ。」
私がいつも子どもたちに言っているメッセージが、この本にはたっぷりと散りばめられているのです。
軽いタッチで物語が進んでいくので、これも読みやすいです。私は原作を日本語で読んでいるので、ドイツ語の勉強としても手に取っています。ドイツ語学習としてもいいですよ。
子どもたちの本離れが危惧されていて久しいですが、世の中にはいい本がたくさんあります。しかも日本の作家さんたちの力作も世界に飛び出して、感動を与えているのです。こんな素晴らしい小説を読まないのは、本当にもったいないです。いい小説は人生の肥やしになります。
日本語での小説が難しいのならば、ドイツ語や英語の翻訳本でもいいじゃないですか。日本を身近に感じてもらい、本の世界にも浸ることのできる良書たち。テレビゲームや携帯電話など、世の中には簡単にドはまりする誘惑、しかもあまりいい影響を与えないものが溢れかえっていますが、良書との出会いは人生を変えます。是非、子どもたちには本好きになってほしいです。そして、日本の作家さんたちの努力と出版業界の研鑚に、心から感謝です。