この試合、現地観戦しようと思っていた。
ちょうど東京で用事があるし、ついでに観に行けちゃうななんて考えていたのだけど。
ヨドコウって大阪なの!?
クボタスピアーズのホストゲームだし、ヨドコウって関東のどこかにあると思っていたのよね。まさか大阪とは。私、地理には弱いのですよ
そっかー、大阪かぁ。スピアーズとの試合観たいなあ。
そこで、ジャパンラグビーの「リーグワンでラグビーを見よう!」キャンペーンに応募してみた。
当選したら大阪へ行こう。
第一節から第三節の試合で総勢12000人無料ご招待が当たるみたい。いくつか選択肢がある中でこの試合を選択したのだけど、落選
それでは素直にテレビ観戦をしよう。
この試合の前日は、ミドリさん、カツさん、ユウ姐と銀座で飲んでいた。
「静岡って強いの?」
「うーん、強いかっていうと、弱くはないんだけどなかなか勝てなくて、今季はもう2試合したけどまだ勝ってない。でもどちらもすごくいい試合だったよ。勝てないだけで」
「勝てないんだ。
私が応援しているバスケの千葉ジェッツはさ、私が見始めてからは負けなしで絶対王者なんだよ。だから、応援しているチームが負けるイメージがない」
と、ユウ姐が言う。
快進撃が続くチームの応援は楽しそうだ。
「でもね、ブルーレヴズは全部の試合がおもしろい上に時々とんでもない勝利をするんだよ。昨シーズンなんて4年も無敗だったチームに勝ったんだよ!とはいえその絶対王者のチームも決勝戦で負けちゃって準優勝だったんだけど。
で、明日対戦するのが昨シーズンの優勝チームなの。あ、オレンジ色のチームね。」
ラグビーは全然わからない人達なので色で説明してみた。
そんな会話をした翌日、私は新幹線で一旦帰宅。キックオフ15分前には家に到着した。
間に合った!
今年のスピアーズはサンゴリアスに大敗して三重ホンダヒートに圧勝して1勝1敗だ。
マルコム・マークス選手が怪我で離脱してしまったのが影響してるのだろうか。新しい選手が加入して、まだうまく噛み合ってないとか?
とはいえ昨年の王者だしなぁ。
下手したらボコボコにやられかねない。だけど、スピアーズに勝ったこともあったはず。どんな試合になるのだろうか。
Jスポの解説の村上晃一さんが選んだブルーレヴズの注目選手は矢富兄弟だそうだ。お兄さんの勇毅選手は38歳の超ベテランスクラムハーフ。弟の洋則選手はウィングだ。洋則選手は昨年は大きな怪我をしていて試合には出られず、ずっとリハビリを頑張っていたから、お兄ちゃんと一緒に出られるこの試合でいい思い出を作ってほしいな、と思う。
一方、スピアーズの注目選手はデイン・コールズ選手。
私は知らなかったのだけど、村上さんや実況の谷口さんの話っぷりからなんかすごい選手ということは伝わってくる。
どうして大阪でクボタスピアーズがホストなんだろうと思っていたけれど、クボタの本社は大阪にあるのだそうだ。ではなぜ船橋・東京ベイなんだろう?
テレビで見る限り、やっぱりオレンジアーミーさん達が多いようだ。レヴニスタは少なめか。
にわかの私が言うのもなんだけど、昨年に比べて危なげないように見える。バーナード・フォーリー選手のトライで先制点を許してしまっても、心穏やかに見ていられる盤石な雰囲気を感じる。
このスーパートライで、フォーリー選手は頭を打って退場してしまった。まだ開始20分くらいだったのに。いつも冷静な立川選手がめっちゃ心配してるのが見て取れるくらいにフォーリー選手に駆け寄っていたから、やっぱりフォーリー選手がいなくなっちゃう穴は大きいよねぇと思った。
どのチームの選手でも、怪我で退場する姿をみると心配になる。
この時点まででも、スピアーズのペナルティはとても多くて、どうしちゃったの?と思っていたら、さらにフォーリー選手負傷交代で、ペースが崩れたりするのでは?
前半のブルーレヴズはペナルティもなく、何度かスピアーズの猛攻を凌いでいた。あとはトライを取っていただけるといいのだけど
そんなことを考えていたら、直後に日野選手のトライ!さらにマロ選手のトライ!!
逆転
まだまだどうなるか全然油断できないのは分かっているけど、家で1人で狂喜乱舞よ
でも2本とも家村選手のコンバージョンキックは外れてしまった。2本外した後に3本目を蹴るのは怖いだろうなぁ。そういうメンタルトレーニングもしているのだろうけど。
前半の最後にペナルティキックを蹴る時には、息子を見守る母のような気持ちでテレビを見つめてしまった。とにかくキックを成功させて気持ちが軽くなってほしい。
にわか母の願いが届いたのか、PG2本も決めて前半終了。
勝って前半を終了したとはいえ、5点差。ワントライで追いつかれちゃう。
そして後半。
始まってすぐに木田選手にトライを取られた。来たー。上手ー。
やっぱり簡単には勝たせてもらえない雰囲気だ。
でもスピアーズは相変わらずペナルティが多いみたい。
スクラムでトライを狙いに行くけれど、なかなかトライに結びつかず、相手のペナルティを生かせない。
何度もチャンスがあったけれど、グラウンディングができなくてノートライとなる。
「スピアーズの選手はとりあえず手を入れてトライ阻止するんですよね」
と実況の谷口さんが言う。
なるほど。腕も長いからとりあえず手を入れる作戦は確かに有効だろう。
でもね、静岡ブルーレヴズにもいるのですよ。とりあえず手を伸ばす人が。そしてボールを奪っちゃうの
クワッガスミスという名前でね、超涼しい顔して何食わぬ顔をしてボールを奪っちゃうのだよ。
あまりにも早過ぎて、実況席の谷口さんや村上さんも
「今のどうやったんだ?」
って笑っちゃうくらいにジャッカルしまくり。
なかなかトライに繋がらない時間が長かったけれど Go Go Revs !! の応援の声は何度も何度も会場中に響き渡っていた。オレンジアーミーさん達が圧倒的に多そうだと思っていたけれど、現地のレヴニスタのみなさんも頑張ってる。テレビ越しにも応援の声がすごくよく聞こえていたから、きっと選手にもよく届いただろう。
この応援の掛け声は、最初はなんだか乗り切れないなあと思っていたけれど、今ではすっかり定着した。先日のヤマハスタジアムでもそうだったのだけど、多分、子供達でもお年寄りでも言いやすいリズムなんだと思う。先週のヤマスタでは、私が座っていたエリアではお子様が先導して大人がそれに乗っかる感じだった。
Go Go Revs! の声が響き渡る中、トライができないまま残り時間は10分を切り、スピアーズに攻め込まれる展開になっていた。
この感じ知ってる。
こわいー。
そしてテアウパ・シオネ選手の逆転トライ!
あああーー取られたあーー。
しかも残り時間あと5分。
シンゾウニワルイ
「レヴズは時間もないからキックは使えないですね」
と解説の村上さんが言った時、昨年のキヤノンイーグルス戦を思い出した。
逆転して同点に追いつかれて、でも絶対勝ちたい試合で、残り時間も少なくてキックが使えない状況。あの時、最後は家村選手のノックオンで同点のまま試合終了だった。アーリーエントリーで出場していた家村選手が責任を感じたかのように頭を抱えた姿を思い出した。
今日はきっと大丈夫!
信じる気持ちと祈る気持ちでこちらも力が入る。
谷口アナが
「こういう時こそクワッガスミスですね〜村上さん!」
と言った直後にクワッガスミス選手のジャッカル!!!
奪った!!!!
あの状況で仕留めた!!
さすがクワッガキャプテン
レヴズボールになったものの、ここからどう攻めるのだ?
スピアーズも必死だ。オレンジの壁と化したあのデッカい人達からどうやってトライを奪う?
しかもミスは許されない状況。
何度も何度もトライを狙いに行くけれど止められる。ブリンホール選手はボールを何回かクワッガスミス選手にパスしていたから、やっぱりクワッガの体幹の強さに期待してるのかしら、と素人考えで思っていたら、クワッガ選手にパスすると見せかけて家村選手にパス。家村選手は外側にパスすると見せかけて真ん中に突っ込んで行った!
そして逆転トライ!!!!
スピアーズに勝ったー
プレイヤーオブザマッチは家村選手
「そうですね、クワッガスミス選手か家村選手でしょうね」
と村上さんも言っている。
うん、私もそう思った!
でもクワッガ選手は放っておいてもどこかのタイミングで絶対プレイヤーオブザマッチに選ばれるから、ここは家村選手で正解だと思うわ。
ニュースでは、「一年目の新人家村」とか「ルーキー家村」という文字が踊っていた。確かにそうなんだろうけれど、昨シーズンのアーリーエントリーの時から活躍していたから、私にとってはすでにレヴズになくてはならない選手になっていて、新人という感じがしない。
昨シーズン、ワイルドナイツに勝利した時も最後にボールを蹴り出したのは家村選手だったしね。
今季初勝利が、昨シーズンの王者クボタスピアーズだなんて最高じゃないか。しかもクリスマスイヴに!
嬉し過ぎて、嬉しさが頂点を極めてどうしたらいいのかわからず、誰にもLINEもせずに、1人で喜びを噛み締めた。