前回に続いて、またオンライン整数列大辞典で遊びましょう。
今回はサイコロキャラメルパズルについて調べてみます。
サイコロキャラメルパズルは、1×2×2のサイズのキャラメルを4×4×4サイズのケースに全て固定されるように(アンチスライドに)積めるパズルです。
4×4×4サイズの場合はアンチスライドに詰められるキャラメルの数の最小値は12個ってことでした。
もっと大きい容量のケースに詰める場合の最小個数を予想して遊びましょう。
方針は、
「簡単にわかる小さいサイズの場合の解を考える
→数列を作ってオンライン整数列大辞典でめぼしい数列を探す
→その数列から大きいケースの場合の最小個数を予想する」
というものです。
じゃあまず小さいサイズの場合を考えましょう。
まず2×2×2サイズの場合はキャラメルを2個詰めるしか方法がありません。
1つだとスライドするし、2個で満杯になってしまいます。
次に3×3×3サイズの場合です。
これはちょっと考えると6個が最小ということがわかります。
最小というかこれがアンチスライドに詰め込む唯一解ですね。
そんなに難しくありませんので詳細は省きます。
さあ、2, 6, 12, …という数列ができました。
うーん、でもこんな数列なんて山ほどありそうですね、ダメかも。
一応検索してみると
893個・・・、多すぎますね。こりゃだめだ。とても全てに目を通す気にはなりません。
別の方向から攻めることにしましょう。
最小個数のキャラメルを詰めたときに出来るスペースの数で数列を作ってみましょう。
2×2×2サイズの場合はスペースは0です。
3×3×3サイズの場合は容量が27で、キャラメルのサイズが1×2×2=4だから、
6個詰めるとスペースの容量は3ですね。
4×4×4サイズの場合は容量が64、キャラメルを12個詰めるとスペースは16です。
0, 3, 16, …
この数列のほうが候補が少なそうな気がします。
検索してみると
107個!これだったら一通りチェックできそうです。
ちなみにケース容量は、一辺を1ずつ増やしていくと偶数・奇数・偶数・奇数…と交互になります。
キャラメルの体積は偶数ですから、スペースの個数も偶数・奇数・偶数・奇数…と交互になるはずです。
107個の数列の中から、0,3,16から始まって、偶奇が交互に現れる、かつケースのサイズを超えない数字になっているものを探すと…
無い!
ガーン!
ダメかーーー!?
でもこのA152618
1, 0, 3, 16, 45, 96, 175, 288, 441, 640, …
がなんか惜しい気がしますね。
先頭に1がありますが、それを無視すれば2項目以降は数字的にはなんかいいぐらいになっていそうな感じです。
でもこの数列は1にも立派な意味があるんだろうし、無理があるよなー?
ん?待てよ?
2×2×2サイズから考えればいいと思っていましたが、1×1×1サイズのケースを考えるとキャラメルは1つも入らないのでスペースは1じゃないか!?
じゃあ数列は1, 0, 3, 16から始まるとするのはむしろ自然じゃないか!
このA152618が有力候補に躍り出ましたね。
この数列は何者かですが、説明を読んでもよくわかりませんね
(n-1,n), (n,n-1), (n*(n-1)/2,n*(n+1)/2), (n*(n+1)/2,(n-1)*n/2)の4点で出来る台形の面積の2倍?
うーん、サイコロキャラメルパズルと関係があるとは思えない・・・
まあとにかく、この数列が
一辺がnの立方体のケースに、キャラメルをアンチスライドになる最小個数を詰めたときに出来るスペース
となっていると仮定して話を続けましょう。
つまり、
ケースの一辺の長さ: 1, 2, 3, 4, 5, 6, …
ケースの容量 : 1, 8, 27, 64, 125, 216,…
スペース : 1, 0, 3, 16, 45, 96…
(ケースの容量)-(スペース) : 0, 8, 24, 48, 80, 120…
これを4で割るとキャラメルの個数が出てくるので
キャラメルの個数: 0, 2, 6, 12, 20, 30,…
となって5×5×5サイズの場合の最小個数は20個、6×6×6サイズの場合の最小個数は30個と予想できます。
絶妙に詰められそうな詰められなさそうな個数ですね。実際に出来るか今度挑戦してみたいと思います。
数列0, 2, 6, 12, 20, 30,…をもう一度検索してみましょう
見つかりましたね。
これらの数列で
(ケースの容量)=(キャラメルの体積の合計)+(スペースの合計)
となっているかを一応計算して確かめてみました。
A152618の一般項: a(n) = (n-1)^2*(n+1)
A002378の一般項: a(n) = n*(n+1)
ケースの容量が(n+1)^3ですから(A152618, A002378の初項がn=0の場合であることに注意)
計算してみると(n+1)^3=4{n*(n+1)}+(n-1)^2*(n+1)はちゃんと成り立っていますね。
A152618とA002378は両立することがわかりました。
いい感じの候補が見つかりました!
ちなみに、このA002378という数列がどんな意味のある数列なのかすごーくたくさん書いてありますが、サイコロキャラメルパズルとの関連性は私の能力では見つけられないですね。
てことで
予想:一辺が(n-1)の立方体のケースにキャラメルをアンチスライドになるように詰めるときの最小個数はn×(n-1)個
と、予想が立ちました!
めでたしめでたし