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「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 サプライチェーンのどこで特定のアクティビティを行えばいいのかということについて仮説検証をすることもできます。


 今でこそJANコードのような統一商品コードでの小売店でのレジ精算形態が主流になっていますが一昔前までは「店頭値札シール」というものがありました。精算の時はそれを見てレジスターに打ち込む形式です。


 この「値札シール貼りをする」というアクティビティをどこでやればいいのかというテーマがありました。


 一つの方法としては販売店舗で行うというものです。もう一つの案は納入メーカー側で貼り付けてもらい店舗ではそれを並べるだけでいいというものです。


 店舗で行う場合にはそれ専用のスペースがなく店頭陳列時に「値札シールを貼る」という作業をするのかもしれません。あるいは狭いバックヤードで身をひねりながらの作業かもしれません。あるいは販売空き時間を見つけて貼るのかもしれません。


 メーカー側で「値札シールを貼る」とすれば物流センターで集中して専任スタッフにより作業が行われるのでしょう。


 ここでアクティビティコストは「どんな人がどれだけの時間をかけてどんな場所でどんな機器や設備を使いどのような情報処理によって」などそのリソースがあきらかになるはずです。


 これらはすべて処理量や費用、時間など数値で表すことができるはずです。


 この表された数字で比較が可能なはずです。


 店舗で行う時のメリット、デメリット、メーカー側で行うときのメリット、デメリットも数字などの定量的なもの、全体の士気やアイドルタイムの活用など定性的に考えられるものも浮き彫りになってくるのでないでしょうか。


 このように「比較検証」という使い方が物流ABCにはあるのです。


今日のキーワード

”比較検証を科学的に”

 サプライチェーンそれぞれのプロセスの中でコストを算定する方法を見ます。「それぞれの」としたのは会計データ単位でコスト算定するのが最も合理的だからという理由からです。


 下の「物流ABCによるコスト算定概要」をご覧ください。


「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊-コスト算定


 まず左の端に書かれている「会計データ」が数字的に集計された原始データになります。企業であれば会計報告を行うのですから財務データとして揃っているでしょう。人件費や設備費、原材料購入費等々、それぞれの企業の分類の仕方でしっかりと把握されているはずです。


 この費用をアクティビティごとに配賦していくのです。


 例えばどのアクティビティにいくらの人件費がかかっているのかはどのような給料の人が何時間何分携わっているのかということが原点です。そうです同じ給料ランクの方々の人件費総額、合計就労時間が分かれば平均時給や分あたりの人件費単価が出てきます。同じランクの人たちでグループ分けするのがいいでしょう。例えば管理職、一般社員、パートさん、アルバイトさんなどのように分けます。


 ここでどのアクティビティにどの分類ランクの方が何時間何分その作業に携わったかが算出の基礎になります。


 1分あたり20円の方が100時間作業を行なったのならば120、000円がそのアクティビティの人件費ランク別の総額です。さらに同じアクティビティにほかのランクの方も携わっているのであればそれを積算していきます。そして合計が460、000円で50,000個の処理を行なったとすると1個あたりの処理単価は9.2円./個となります。


 右の端のところはそれぞれの処理量が分かれば合計コストを出すことができることを表した図です。


 アクティビティ単価×処理量でコストがはじき出されるということです。


今日のキーワード

”合理的グループ化を必ず行う”


 

 メーカー、小売の2者間のプロセスをすべてあぶりだしてみるとフローの中に相互関連しているものが何となくわかるのでないでしょうか?


 最終的には小売の店舗内での陳列作業があるはずです。その前には一時ストックがあるかもしれません。そしてその前には荷受作業です。(ここは納入ドライバーの作業になっている場合もあります。)


 店舗への配送がこの手前のプロセスです。(メーカーあるいは小売のセンターからのものでしょう。)


 中間に小売のセンターが入っているのならここでもメーカーからの商品を受け入れてから積み込み出荷するまでの一連のフローが入ります。)


 この場合にはメーカーから小売センターまでの配送が入ります。


 そして出荷側センターの製品受け入れから仕分け出荷までのメーカーセンターとしてのフローがあります。


 経由場所が増えれば増えるほど受け入れ、保管、仕分け、積み込み出荷、配送などのプロセスが何度も出てくるでしょう。


 この同じようなプロセスの回数が増えてもそれぞれの合算したコストが減るのであればサプライチェーンコストは正解であると判断していいのでしょう。


 その場合のメーカーの負担、小売の負担が納得のいく配分になるのであればという前提に立ちますが・・・。


 次回からはこの納得を得られるコスト算出のメカニズムのあたりを見ましょう。


今日のキーワード

”通過拠点ガ増えれば同類のプロセスも増える”