サプライチェーンコストを把握するためのツールとして昨日に引き続き私のホームページから「物流ABC」とはどんなものかを解説したものを引用して記しておきます。
(以下http://www.slogio.com/ から引用)
でも物流活動ってどんなものがあるの
例えば倉庫の作業では「入荷作業」が思いつきます。これをブレークダウンすると「トラックからおろす」→「トラックからパレット単位でおろす」「トラックからケース単位でおろす」「パレット単位でフォークリフトで運ぶ」「パレット単位でハンドリフトで運ぶ」「ケースをパレットに積む」「ケースを台車に積む」「ケースを台車で運ぶ」「ケースを手に持って運ぶ」など様々な活動があります。現場の作業の1つ1つを見て最も区分しやすく時間も調べやすいと思われる単位で作業を表現してみてください。実に多くの作業がリストアップされるはずです。
物流ABCの手順
コスト算出対象の規模によって手順も異なりますが私の場合はほぼ次のような手順で行っています。標準的な場合には3ヶ月くらいを見ています。最初から物流ABCとはとか会計データが揃っていないとかという場合はそれらを余分に見て考えなければ行けないでしょう。
物流ABCのフレームとなる算出ツール
活動時間把握や処理量をまとめるツールもありますが、最終的にまとめ上げるツールとしては下記の二つのツールです。
①アクティビティコスト総合表
アクティビティごとの作業時間や使用面積を基準に投入された科目別経費を再配賦してして作成するものでいわば全体の鳥瞰図でありかつ細部の作業とコストまで示した表です。アクティビティからの切り込みを考える材料にもなります。
②アクティビティコスト算定表
目的別にコストを算定した表で得意先や商品、作業時間帯別、作業者属性別など様々な切り口に合わせて作成します。従ってサプライチェーンコストの作成や商品原価算出の物流部分の算出ツールとしても使用されます。
物流ABCは本当に役に立つのでしょうか
どんな有益なツールでも目的を明確にして積極的に取り組まなければ何の役にも立たないばかりか、職場の士気の減退をも招くのでないでしょうか。要はちゃんとやればとてつもなく成果を得られ、ちゃんとやらなければ何ともならないといえます。
現状がどうなっているか分からない。何とかしたいと思われ現状把握からスタートするのであればお勧めする方法でもあります。余談ですがどんなアクティビティがあるのか現場を見ている段階で多くの改善点やなくしても影響のない作業もたくさんあることに気づきすぐ手を打ってコストを下げたという例も多く耳にしています。
(注)私がABCを使ってみたのが1997年です。「物流費氷山の一角説」がまだまだ通用する時でしたので会計データに表れない多くの経費を物流費に置き換え計算しなければなりませんでした。コスト配賦の仕方、アクティビティの定義づけなど大変な時間を要したのを思い出します。
同じ頃、「物流ABC」と名付けた手法が発表、使用され始めましたのでそれらも参考にさせていただきました。
今では中小企業庁から「物流ABC準拠による物流コスト算定マニュアル」という簡便なものも発表されています。いずれにしても最初は少しとっつきにくかったり面倒な感じがしますが物流の本当の姿に迫るのであれば是非試していただきたいコスト算定の手法です。導入期にコンサルタントに相談するのが早く理解するためにはいいかもわかりません。
(以上引用)
来週、物流ABC的な考え方とサプライチェーンコストについて考察してみます。
今日のキーワード
”物流ABCを活用しよう”