人間特性のひとつとして「失念」があります。「うっかり忘れてしまうこと、心を散乱させること」とされています。
北海道旭川空港近くの山岳地帯での航空事故になりかねなかった事例が報道されています。
管制官が周囲の山より低い高度まで下降するよう誤って指示を出したことで航空機は高度を下げました。そのまま降下していれば山肌にぶつかり悲惨な事故を招いていたでしょう。幸いにして航空機に搭載している対地接近警報装置が作動したので操縦士が回避したことで難を逃れたのです。当時は雲の中で目では確認できない状態でもあったようです。
さて、この原因が問題です。
管制官は」最低高度を失念していた」と話しているそうです。
航空機は着陸に向け次第に高度を下げながら、旭川空港の上空をいったん通り過ぎた後に右旋回、その後、同空港の集約30キロ付近の高度約2100メートル程度のところを飛行していたようです。
「失念」は「覚えているが肝心な時に思い出せない」という現象です。その結果正常な指示を出せなかったということになります。
そうです。メインイベントである「旭川空港への着陸を導く」というテーマがあります。そのためには空港への方向、距離、そして高度を下げさせるという工程が浮かびます。その中での付随して注意しておかなければならないハザード問題を忘れていたということになります。航空機が通過するコースの地形特性、すなわち山の高さなどです。
いろいろな条件をクリアして着陸ができることになります。あまりにも主テーマのフレーズが大きく思考部分を占有してしまうとその中のそれも重要要因である地形で注意する点などを忘れてしまうというこが起こったのです。
人の特性にはこんな恐ろしいものもあるということを想定しておかなければならないのでしょう。
今回はその負の特性部分を接近回避装置という機器によるカバーがなされたことになります。
物流ミスについてもヒューマンファクターで起こるものがほとんどといえます。地道な活動にはなりますがミスの起こらない仕組みを一歩一歩組み立てていくしかないでしょう。
今日のキーワード
”人はミスを犯すものくらいに考えておく用心深さを”