製品起因かどうかを特定できない事故を題材に | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 7月9日付の経済産業省のプレスリリースで「ブリヂストンサイクル株式会社が輸入した自転車用幼児座席の
リコール(無償点検・修理)について」という題名のものがありましたので読んでみました。

原文http://www.meti.go.jp/press/20100709004/20100709004.pdf


 すでにニュースにもなっていますのでご存知の方も多いと思います。


 一口で表すと「製品自体には問題はないけれどもお客様がこの幼児座席を取り付ける段階で誤った取り付け方をしたため事故につながったケースがあるというのが一点目、そして、もともと製品自体が誤った取り付け方のできないような構造が求められるというのが二点目かと思います。


 とりあえずの対処は使用者に周知、無償点検をすることを決定、経産省も広く告知ということでこのリリースも出されたものです。


 すでに後継機種では誤った取り付け方ができないように改良されているそうです。誤って取り付けられる機種については販売店で説明を行うことと正規の取り付け方を記した注意喚起説明書も配布することとしています。すでに販売したものについてもリコールを実施するということです。


 「改善」という観点だけで見ると参考になるところもあるようです。


 工程の中で「部品の取り付け」を行うところでのミスが多く発生しているとします。そこでなぜ部品の取り付けを間違うのかということを「なぜ、なぜ、なぜ・・・」と徹底して掘り下げていきます。


 「ここにこの方向にこう重ねてネジで固定するのだよ」とマニュアルに書かれているとします。その通りできれば正解なのですがそうはいかないところが人間なのでしょう。


 人にミスはつきものであるということが常識になっています。999回ぴったりとできても1回のミスがあれば完ぺきではないのです。


 そこでいろいろな方法を考えミスの防止をなくすことに努めます。効率アップとともにミスの撲滅というテーマも改善の大きなテーマなのです。


 今回のような消費者の方が取り付けを行うとなると一つは「すべての方が間違わず理解し取り付ける説明書」が求められるのでしょう。それでも間違いが起こる可能性ゼロとは言えません。


 そこで新製品に見られる間違う工程を「なくし」てしまうという構造を立案、製品化します。


 そう、究極的にはその工程自体をなくす方法も発想の一つとして持っておくということも重要なのでしょう。改良改善にはこのようにいつまで行っても尽きない課題が多いようです。


今日のキーワード

”消費者問題も改善の題材に”