切り込む運賃原価を理解する | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 荷主の物流担当者で運賃原価を詳細に理解している方が思っているより少ないようです。運送業者にすべてお任せということが大変楽であることに原因があるのかもしれません。


 運送事業者の数からして極端に競争が激しいことが分かります。すごく安い見積もりに対してもそれより低い値段を提示してくる業者も出てくるというようなこともありました。そんな荷主優位の中で業者を競わせて運賃を抑える安易な方法が続いたが為に運送現場のコスト発生のメカニズムを理解できていない物流担当者が増えたのでしょう。


 トラックの値段を調べたことがあるでしょうか。本体だけでなくいろいろな付属の部分も知っておかねばすべてが分かったとは言えないでしょう。安全な走行、運行、あるいは環境にどれだけ対応するのか、あるいは運行データはどう記録するのか等々理解できているでしょうか?


 極端に言えば燃料価格の現在や推移をすぐ言えるでしょうか?


 もう少し運送の現場とも言える積みこみにかかる時間や走行に強く影響を与える道路状態や道路選択のためのいろいろな道を理解しているでしょうか?


 最も影響の大きいドライバーさんの身体条件、労働条件その他諸々の安全運転対応等をどれだけ理解しているでしょうか?


 運賃とはそれらすべての現場に関わるものの積み上げであることは間違いありません。「運賃=原価+利益」ではあるのです。運賃は荷主の思い通りの価格ではありません。積み上げる原価の中身を理解し、そこにある各原価パーツのムダを洗い出していく力をつけたいものです。いや運送業者さんと見つけ出していく力をつけたいものです。


 これができればコストをいかに下げるようにできるか、あるいは環境配慮型運送を実現していけるのかというところにも進んでいけるでしょう。


 まずは原価の中身を理解する力をつけることから始めて下さい。


今日のキーワード

”運祖婦原価のしくみを分かることから始める”