テーマを持てば多くの視点や発想が | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 「08年のCO2濃度、観測史上最高 世界気象機関」というニュースがありました。asahi com.  http://www.asahi.com/national/update/1123/TKY200911230213.html


 途上国の経済成長や森林伐採など原因は種々あるのでしょうが地球全体には非常に大きな課題が好転するのはまだ先のようです。


 目を転じてテーマを持てばいろいろな視点や発想が浮かんでくる例があります。


 世界のCO2排出量の約3%は外航船によるものと言われています。新興国、途上国、後進国の発展は止まるところがないでしょうし続かなければならないことです。それによる交易はさらに増加してくることでしょう。ますます外航船の往来は将来的には増えるのでないでしょうか。


 そんな中で外航船のCO2排出量の責任負担はどの国に所属するのかという問題があります。船籍国、運行者、荷出し国、荷揚げ国など帰属すべき国を定かにするのが困難なことが要因としてはあります。ただ、約3%という量が排出されているわけですから何とかしなければならないのも事実としてあります。このあたりは国際機関の取り決めやルール作りが急務なのでしょう。


 国内の内航汽船についてはルールで企業ごとに削減のテーマを有していますし国内の排出量の数値として含まれています。外航船でも企業ごとにはいろいろな工夫がされています。


 排出量削減というテーマがあるからいろいろな工夫やアイデアが出され取り組まれているのでしょう。


 スクリューにつける省エネ装置に取り組んでいる事例があります。スクリューの先端にさらに小さな羽を装着し、スクリューとは逆方向の波を起こして抵抗となる渦を打ち消すことで5%の燃費向上をするというものです。


 コンプレッサーで船底に空気を送り海中で無数の数ミリ大のあぶくをつくり海水との摩擦抵抗を少なくします。これによって10%の燃費向上効果を生むとします。


 マグロやイルカの皮膚から地を得たものもあります。その肌に似た塗料を船底に塗り生物の付着をおさえ燃費wpこうじょうさせようとしています。


 その他にも船底の形状の工夫や風力、太陽エネルギー、燃料電池の船舶への利用なども研究されています。


 「CO2排出量を抑える」というテーマを持ち、それに対するアイデアを多方面から追求していく、そんなところから多くの発明や開発ができるのでしょう。


 発想の蓋をせず、狭い視野ではなく垣根を設けない発想法がアッと思うものをうむのでないでしょうか。


 成り行きではない、テーマを大切にする、そんなことが地球上でおこなわれることが必要でしょう。


今日のキーワード

”常にテーマを大切に”