気候変動と在庫問題 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 日経ビジネスの8月3日号の記事の中に在庫問題への取り組みが掲載されていました。


 一つはほとんどの企業がそうあるべきとしている「在庫削減」への取り組みです。この記事では気候変動によって販売量が左右するエアコン事業での究極の削減策です。ダイキン工業の例が取り上げられていました。核心部分は「つくりのしくみ」改革です。売れ行きによって対処できるリードタイム3日体制です。気候変動によって売れ行きに変化があっても3日という中で修正できるものです。在庫削減は作りの部分改革なくして成り立たないことを実証する事例と思います。


 もう一つは気候変動から来る原料不足のリスクを少なくするための在庫を確保する手だてを講じているカゴメの例をあげています。本業の材料がなければ成りたたないリスクを回避するための在庫確保策です。この場合は在庫を潤沢に持つことを悪とはみません。トルコでのトマト確保を主にしていた時期もあったようですが、気候変動により大ピンチに見舞われた教訓から世界各地分散調達体制kを取ることにしました。そして量の方も多めに確保、在庫を持つという戦略をとっています。


 在庫を持たない戦略、在庫を持つ戦略、気候変動の中では事業特性によってそれぞれのしっかりとした意思を貫けることが何よりなのでしょう。


今日のキーワード

”変動に対するリスク対策は確固たる戦略を”