今日の注目する新聞記事です。
朝日新聞に「資本主義はどこへ」というオピニオン欄の特集がありました。大恐慌を経験し、その後の経済学を変える「一般理論」を書いたケインズなら今の不況をどう考え、同じく大不況を知り「マネジメントを発明した男」と言われるドラッカーならどのように言うだろうとそれぞれに詳しい伊藤光晴さんと上田惇生さんに経済や社会がどう変化するかをインタビューしたものです。
まず伊藤光晴さんのケインズなら、「効果薄い財政出動。弱者保護を」という見出しになっています。
そして上田惇生さんのドラッカーなら、「会社は公器。社会の安定めざせ」と記しています。
ケインズは「再び私の時代が来た。ただし私は財政出動ありきのケインジアンでないのは私だけ」と言うでしょう。ドラッカーは企業人に「挑戦しろ、挑戦しなければ組織は衰えるし有能な社員は腐るか出て行ってしまう、量の成長が無理なら質の成長を目指せ」と言うとしています。
伊藤さんは、今の状態で何かができると考えるのは間違い、土木建設をしたからといって自動車やカメラが増えるわけではない、民間の投資にはならないと考えています。むしろ30年代にスエーデンで行われたような低所得者向けの公共住宅を建設したようなお金の注入の仕方、好況時にこれを行えば加熱してしまうのですがこの時期だからできるものがあるはず、不況の時こそ貧困対策など社会変革の好機であるとの考えを述べています。
上田さんは「日本の企業のよさは、人を大事にするところであったはず。組織の良し悪しは、共同体になっているか、生きた有機体になっているかがカギなのだ」とします。寮から出さなければ今すぐ会社がつぶれてしまうのですか?解雇するにしても昔は再就職の世話をしていたでしょう、社長には新入社員の時代を、創業者には創業時代を思い出して欲しいとしています。ドラッカーは日本社会のきずなに惚れ込んでいた。これをもう一度おもいおこしてほしいとしています。
今日のこの記事を全文読んでいただければ、私が書いたより何倍も含むところが読み取れると思います。
いずれにしても、競争のみが社会を発展させるのではない、負けることへのおびえでなくいわゆるセーフティネットがあるが故に挑戦もできる、そんな社会システム、企業システムを考えてみる、創り出すチャンスが今きているのだとすることはできないでしょうか?
今日のキーワード
”挑戦への原動力とセーフティネットをどう考える”