普通は在庫を分割すればするほどコストが二重、三重にかかるとされます。しかし、今回は在庫を分割管理する効用についてあえて書いてみます。
多少、コストが上がるとしてもサプライチェーン在庫が減少する可能性があるのであれば挑戦してみたいことです。今日のケースはメーカーの物流センター在庫と工場在庫を分離して管理するというものです。そして商品は一般市場で日常的に消費をされるという前提に立ちます。
物流センターの在庫はいくら持っていればいいのでしょう?
売れた量だけすぐ補充できその量を元に次の出荷量が割り出せ、補充も間に合わすことができるとすれば物流センターは全く余分に在庫を持つ必用はありません。
物流センターでは出荷量の上限を予測できればそれに間に合うような補充すればいいことになります。ただし、出荷量は一般的には市場まかせです。今日の出荷に対し増えることもあれば減ることもあります。そこで基準値はどうしても過去の出荷量から明日の出荷量を予測しなければなりません。一般的には一週間分や10日分といった移動平均値を基準出荷データとして用います。その何日分を持つかは調達リードタイム数がもうひとつのキーになります。その間の分は持っていなければならないのですから・・・・。そして、出荷量が上ぶれした時の予備在庫も必用になります。これが安全在庫です。これにはどれくらいのサービス率を保つかという経営判断も入ります。100回のうち99回をというところもあれば99.99%をというところもあります。標準偏差や正規分布などを用いて割り出す方法もあります。このあたりはいろいろな方式に従います。
物流センター在庫だけであれば、こういった割り出された数量だけを持てばいいことになります。
メーカーの場合、製造部門からできあがったものを自動的に送り込んでくるというのが一般的です。そのほうが品物を一カ所で管理できるので普通はいいはずなのです。
問題は製造をもう少し実需に合わせて行うことができないかということです。それができることになればサプライチェーン在庫が少なくて済むのです。物流センターから市場に出荷される量とは関係なく工場の論理で作り続けるから在庫が増えるのです。
そこで物流センターには出荷量から割り出した適量しか持たなくする。工場には物流センターから要求された数量だけ引き渡すというルールに従ってもらいます。工場倉庫といったものを設定し別管理をするのです。持っている在庫には工場が責任を持つのです。これができれば工場側は作りすぎのムダに気がつくことができます。つくりすぎないようなしくみの改善も進みます。これをねらったのが在庫分割です。
とりあえず、打てば響く組織にするための寄り道手法といえます。今日の在庫分割は。
今日のキーワード
”製造責任を明確にする工場倉庫の考え方もある”