見越在庫 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 季節商品在庫の中で触れましたが「見越在庫」を取り上げてみます。


 15日の20万隻一斉休漁。しけなどで漁に出られないのは局地的現象で市場では織り込み済みのメカニズムが働きます。どこかで不足していても他の所のものでカバーするということになります。


 他方、今回のような日本全国一斉休漁となるとそうはいきません。もっとも、天然物があがらないのなら養殖物でカバーする、近海の青物やイカなどがあがらなくてもマグロやカツオなどでカバーするという方法もあります。それは別において近海物のアジやイワシがどうしても必要というところもあります。


 こんな場合、どんな手だてをするのか、ここで取られる方法が「見越在庫」です。


 7月15日には20満席一斉休漁ということがアナウンスされるとこれによる影響を受ける日に向けて在庫を蓄えておくのが「見越在庫」です。1日に売れるより多めに仕入れ、実需より多いものを在庫として蓄えておくことになります。鮮魚の場合は鮮度も問題になります。今回は1日だけの休漁ですから鮮度を落とさないように必要最小限の日数で在庫を増やしていくことになります。基本的には最終1日分の持ち越しになるようコンマ何%ずつ繰り越していくということです。需給のバランスを見越して在庫を溜めていくのが「見越在庫」ということです。


 このような「見越在庫」を使って1日分に対応したところも報道されています。1日分ですのでそうため込まずになすがままにやったところの方が多いのでしょうが、こういうことも在庫問題としては考えられる事例ではあります。


 しかし、原油高問題は在庫で調整できる領域をはるかに超えた大きな問題でしょう。


今日のキーワード

”品不足に備えるのが見越在庫”