値上げは油だけではない。いよいよ本体であるトラックも一斉値上げとなるようです。
いすず自動車は海外の価格を昨年引き上げています。しかし国内は販売がふるわなかったので値上げは見送ってきた経緯があります。今、国内でも値上げを検討しているようです。三菱ふそうトラック・バスも同じ方向で詳細を検討中とのこと。日産ディーゼル工業は「今のところ何も考えていない」とコメントしているようです。
今、値上げを考えざるを得ないのは、鉄鋼などの原材料価格の高騰を受けたものです。自動車メーカーは鉄鋼各社との鋼材価格交渉を行っており、これが終わる夏頃にはと推測されます。
鋼材はトラックの重量の約7割、1㌧当たり3万円近く値上がりする見通しです。10㌧トラック1台あたり21万円のコストアップになりそうです。そのほかにガラスなどの他材料も値上がり傾向にありますのでかなりのコストアップは免れないのでしょう。日野自動車のように「合理化だけではもはや吸収できない」というのもうなずけると思われます。91年に大半の車種で5%程度の値上げを行って以来の値上げになります。
朝日新聞にはこのとなりにぶりジストンガ「タイヤを9月から再値上げ」という記事もあります。春にも値上げをしていますから年2回の値上げとなり異例のことです。原油高騰で合成ゴムが上がっている上に天然ゴムも値上がりしトラック・バス用が7%の値上げとなります。
トラック事業者、軽油の値上がり、車両本体も値上がり、ドライバー不足で人件費もままならない、足回りのタイヤチューブ費も上がるとなってはどうしようもありません。
運送費だけ抑えるわけにはいかないでしょうから、さらにじわりじわりと、というよりも急激にさらなる値上げの連鎖となることも考えられます。
今日のキーワード
”苦境に立つトラック業界、どうするのか”