暫定税率から在庫問題を | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 51日に普段はその差が離れているガソリンの価格と軽油の価格が接近しているガソリンスタンドを見られた方も多いのでないでしょうか。

 理由はご存じのようにガソリンは元売り時点、軽油は販売時点に税がかかるしくみになっていたからです。軽油はがスタンドの手持ち在庫を販売した時点で課税をするのでスタンドとしては暫定税率の復活した時点の51日の0時から販売価格を引き上げました。一方のガソリンは元売り時点での課税ですから4月中に仕入れたものには暫定税はかかっていません。従ってガソリンスタンドはそれが切れるまでは店頭販売価格自体も引き上げなくてもいいことになります。この差が店頭価格の接近という現象を招いたようです。

 このことから在庫問題を考えてみます。

 一昔前までは「ものを持っていること自体」がすごいことという風潮もありました。もの不足の時には持っているだけでものの金額が自然に上がっていくということを経験した方もあったのでないでしょうか?世界的な資源不足に突入した現在もそのことがあてはまるかもしれません。多くの原材料や食糧においてその傾向が見られます。資金は自ずとそちらに流れます。

 さて、現在の「ものを持っていること、在庫があるということ」はプラスにはたらいているでしょうか?ものがないから対価としての貨幣価値は上がっていることになります。将来的に多くの貨幣対価を得ようと思えば多く長く持っていようということになります。将来的に上がっていくことが分かっていればという前提で。

 本来のものの価値自体はどうでしょう。ものというものは使用価値がほんとうの価値であるはずです。使ってこそ、食べてこそということです。それ自体は前も後もかわらないのでないでしょうか。むしろ劣化してから使用しているのかもしれません。ウイスキーなどのように熟成すればこくやまろやかさが出て価値が上がるというものを省けば・・・。

 もう一点、ものを持つということはそれを手に入れる時点でキャッシュを支払っているはずです。ということは手元資金はその分少なくなっています。ものの値上がりをまっている間、さらに投資できる資金は手元から離れてしまっているのです。ものを持っているがために資金不足で倒産という事態を招くこともあり得ないことではありえません。

 もの不足の時代には在庫をもっていれば将来的な値上がり益を得られることがあるかもしれないとしましたが、普通はものあまり、あるいは新たな技術や価値が負荷されて前の値段で販売されるというような技術革新、競争条件の中での在庫問題というのが主でないでしょうか。

 在庫を抱えていれば劣化や陳腐化を招き価値自体が下がる、あるいは全く売れないものを抱えたままでキャッシュに換えられないということもあります。基本的には在庫を多く長く持つことのメリットは少ないというのが結論であるのでしょう。

今日のキーワード

“基本的には在庫は少ない方がいい”