在庫ゼロの緊張 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 物流センターに在庫を持たない「在庫ゼロ状態」はあり得るでしょうか?

 需要に見合った出荷にあわせて生産ができれば物流センターに在庫がなくてもすむというのは自明の理でしょう。ここからが在庫をできるだけ少なくというテーマのスタートです。

 仮に物流センターの得意先に向けての出荷が1日サイクルで繰り返されるとします。この得意先それぞれに向けての出荷時間に対して生産が同期化されるというのが在庫無しですむ鍵です。「出にあわせた生産」がポイントです。

 さて、生産の側では普通は大ロットで団子生産がされています。得意先ごとに時間を合わせて生産しようとすれば小ロット、究極は1の単位での生産の積み重ねになるでしょう。AというアイテムとBというアイテム、そしてFというアイテムというように同じところで多種アイテムが混合されるような感じでしょう。

 果たしてこういった生産は可能なのでしょうか?

 相当な緊張関係の中で生産されることになります。物流センターの欠品の不安が生産に即刻伝わることになります。前線の状況が生産に刻々と伝わるというロープが張られこのロープの張りで動きが伝わるということです。

 物流センターの在庫を減らすとことは生産のしくみをも変えざるを得ないという「在庫ゼロの緊張関係」の共有が始まることになります。

今日のキーワード

“常に張りを持った関係を探る”