隔たりを埋める | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 物流の役割として「隔たりを埋める」ということがあります。

 一つは生産地と消費地の「距離の隔たり」を埋めることがあります。二つ目に「時間的隔たり」を埋めること、そして生産者と消費者という「社会的隔たり」を埋めることも上げられます。

 距離という隔たりがあるからモノの移動が必要です。それには1時間に何キロメートルという限界もあります。自ずから時間的制約の中で移動することになります。又、コストとのかねあいもあります。時間という隔たりは貯蔵するという倉庫機能などでしょう。米など食物などが代表的です。これも貯蔵技術やコストとのかねあいから期間に限界があります。

 一方で食品などは条件によっては腐敗するというのがマイナス要因としてあげられます。

 ここで今問題になっている食品の各種問題があります。原料の偽装などは別として・・・。

 再利用、先日付・・・、遠隔地に運ぼうとすると時間がかかるということからすれば自ずからいくら生産地と消費地の隔たりを埋めると言っても限界があります。商品劣化問題もあります。届けられる範囲の中でしか社会的隔たりを埋めることはできないのです。

 これを無視した経済価値の追求はあり得ないことになります。もう一度、原点に帰って考えなければならない問題でしょう。確かに技術や交通の高度化でずいぶん「隔たり」を埋められる範囲は拡がりました。しかし、原点は地産地消に立ち返ってどこまでが常識の範囲か考えることでないでしょうか。環境問題からもこのあたりがテーマとなるのでしょう。

今日のキーワード

“原点は地産地消”