中間在庫 | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 川下でもなく川上側でもない在庫、すなわち中間在庫問題があります。  


ダイレクトな取引や物流でない場合に中間在庫というものが必然的に起こります。基本的には地理的な問題、商品取引上の問題で必然的に起こる在庫です。  


この中間在庫には需要と供給のマッチング面では大変難しい問題があります。


まずは需要量を見込まなければならないことです。川下側の需要量を読むには直接的にデータを得られることがなければ非常に難しいといえます。過去の出荷データだけでは不十分なものも多くあります。

そこでどうしても欠品だけは避けたいことから多めの在庫を持ちます。これが余分な在庫となって持ち越し在庫となってくるのです。  


一方、川上側の製造予定なども知る必要があります。これがわかっていれば製造と入荷のマッチングや期日のマッチングもしやすくなります。しかし、製造予定や調達可能量は川上側の出荷配分問題とも関連し力関係によるところもあります。バイイングパワーの強い所に物が流れていく傾向にあることも否めない事実です。  


中間在庫にはこのようなことから主体的に組み立てるよりも川上、川下の動きに規定されることが否定できないことなのです。  


したがって、中間在庫の当事者は川上、川下の動向に注意を払い量の調整を行うことになります。また、供給と需要の直接当事者でないだけにフローの管理、分配のためのハブ的な役割を担っているともいえます。日本における中間在庫者は国の隅々までものを分配してフローさせる大切な役割を担ってきたのですが、現在は川上と川上のダイレクトな取引、中抜きへと向かいつつあります。  


商流と物流の分離という構造もこれから進んできます。  卸業者、物流業者の役割や機能面での変化はまだまだすすんでいくでしょう。


今日のキーワード

“中間在庫問題は業態問題でもある”