「在庫」はなぜあるのでしょう。
市場での需要、すなわちお客様からの「引き」の力が入ることを想定しています。「引き」がないものについては持っておく必要がないのです。それ以外では自分のコレクションとして持つくらいでしょう。
普通に考えれば「将来的に市場で必要だから持っている」というのが在庫の存在理由になります。確かに農産物などではその季節に売れないとなると廃棄してしまうということも生じています。永久に品質が劣化することなく倉庫代も保管するための管理費もかからないとなると持っていてもいいことになります。
もし「引き」がないのに持っている場合はどうでしょう?「不良在庫」です。持つこと自体が意味のない活動です。これにさらに時間軸を加えれば「不良在庫」の範囲が広がってきます。
「引き」に対してすぐ生産できるとすれば全く在庫の必要はありありません。在庫自体が余分な費用発生を生むことになります。日々、「引き」がある場合に「つくる時間」が何日も必要な場合にはその調整弁としての「在庫」が必要です。作られる日数分の在庫が調整数として持たれます。1日分の出荷量に見合った数だけ生産されてくればそれで事足ります。在庫はその分が毎日入り、出ていくということになります。
本来であれば「在庫量」はこのような最低限の量でまかなえればいいのに倉庫には何日分、何か月分も抱えているのはどうしてでしょう。市場の「引き」を読み誤っているのでしょうか?それさえ読むことなく持っているのでしょうか?あるいは持っていることに大きな価値があると思っているのでしょうか?生産や調達との関係でいえば「大ロットの方がメリットが多い」と思っているのでしょうか?
「引き」にあわない在庫は無意味と考える、これに一理があることを一度考えてみてはいかがでしょうか?
今日のキーワード
“引きのない在庫は無意味”