難しく考えない | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

ロジスティクスや物流現場、日々報道されるニュースなどを直視したり斜に構えたりしてビジネスや社会生活のヒント、情報をちりばめます。

 ある企業の改善例を写真で見ていただきました。写真で改善の内容がわかる簡単な事例です。

 見られたのは違う企業のパートさんたちの会合においてです。

 この職場では改善をやろうとのスローガンがうたわれているのですが、パートさんたちには大変難しいことなのではととらえている節があります。こういった人たちにできるだけ身近なことなのだとしってもらうためのやさしい事例です。

 円形になった品物の一か所にバーコードがついた品名ラベルが貼られています。たなおろしをしたりピッキングをする時にいちいちそこの位置までスキャナーを合わせなければならないとすると小さな時間ではありますが手間がかかることになります。そこで、そこに格納する際に位置を一定の高さに揃うようにしておくのです。格納者にとってはピッキング者は「後工程はお客様」にあたるのです。いそこでここでの工夫改善は格納棚の柱のところに赤いテープを貼っておきます。そしてこの高さに品名ラベルがくるように置くというだけでいいのです。本当に簡単な思いつきレベルです。これを実行しているのです。

 参考にさせていただいた企業さんでは質より量を重視しています。改善の量をこなすことで自然に考えることが身について質も上がってくるという考えをとっています。確かに一目で見ても分からない大変工夫された改善もたくさんお聞きしました。

 ひるがえって事例を見てもらった職場では身構えてしまっていたのです。このような簡単な事例を何枚も目で見ていただくと「ああこんなに簡単なことなのか」とほぐれてきたようです。それなら私たちにもできるのでないだろうかと考えるようにもなります。

 パートさんたちはそう他社の見学に行く機会はないでしょう。もし写真などをとらせていただける企業さんなどがあったら、こんな形で「他社に学ぶ」ことをやってみるのもいいのでないでしょうか。

今日のキーワード

“改善はどこにでもあるものに工夫をこらすこと”