大学受験の合格者数はどんな機能を持っているのでしょうか。
一つは受験生(将来的な受験生)が進学に有利な中学や高校などの学校選択あるいは予備校選択の指標として使われます。
もう一つの機能、学校経営者側からはできるだけ実績の高いのを示すことによって生徒を集めると言う目的があります。
数字の発生源と使用者側(数字の観察分析者側)では実態がいいのか悪いのかの判断になる材料としての進学データでのせめぎ合いがあります。
学校側は大学別進学者数を実績値として発表します。○○大学合格者△名として発表されます。あるいは○○大学××学部合格者□名として発表されます。これは事実の数字です。このことでこの高校が進学にいい学校と判断するのが正解かどうかということになります。データの使用者側はここまでの数字しか読み取ることができません。
一人で73人分の実績を上げた高校があります。この73という事実データ問題です。読み取る側はこの数字「73」で判断を下すしかないのです。これを発生源側は事実データとして示すには何の問題もありません。(数字を作る上ではかなり意図的なものがあったようですが・・・)それだけデータの読み取りは難しいということになります。
ビジネスにおいてもいろいろな調査分析がなされます。
調査手法によって事実を掴み実態を反映したレポートとして表されるかどうかが決まります。意図を持ってすれば数字のマジックが作られます。調査分析者は数字を導くことなく客観的な評価をできるようにするかというところが腕の見せ所でないでしょうか。
受験合格データについては誰がどこに受かったという一つ一つの事実データしか実態を表すことはないのです。
今日のキーワード
“表面の数字は事実であっても100%中身を語るものではない”