「何も得るものがなかった」と帰ってきた参加者から報告を受けることがあります。セミナーや見学会で何かを感じてもらえればと薦めた人たちからです。
発表自体が退屈な内容だったのか、施設や設備が旧態依然たるものだったのか参加者の評価がどこから生じたかははかれません。
セミナーなどでは参加者をしっかりとつかみ飽きさせずに聞き入らせる講師の方も多くおられます。しかし、人に言いたいことを伝える難しさはいうまでもありません。飽きさせずに聞いてもらったからといって十分伝えられたかといえば何分の一しか伝わっていない場合も多いのが現状です。
ここでは聞き手の側の姿勢について考えてみます。
テーマや講師、あるいは施設の名前によって何かを期待して参加します。場合によっては人から薦められて、命令によって参加する場合もあります。
自分で選んだ場合は何らかの積極的な選択をしたことになります。薦められたり命令された場合は自分の意志からではありません。その差はスタート時点では開きがあるのですが参加という方向へ走り出すことでは同じです。
事前準備をすることで講師に聞き役である自分を掴んでもらうのでなく,自分から講師をつかみに行くこともできます。10年前と違って今ではネットで講師のプロフィールや所属団体、企業の特徴などを知ることができます。テーマについての一端をも知ることができます。関連情報も取ることもできます。いわゆる予習をしておくことです。予習をすることによって受け身から攻めの姿勢に変わってきます。
これだけでセミナーや見学会の発する意味合いを何倍も理解することができます。漠然と参加していると受け入れ口を大きく開くことはできないのでないでしょうか。入れる袋をちゃんと整えておくことです。
逆にセミナーに過度の期待をしない姿勢も必要です。「目から鱗」というのもそう多くないのも事実でしょう。そう思えば、きらりと光るものを「一つでも二つでも」としっかりと探し求める姿勢ができます。セミナーや見学会には何か訴えかけたいことが横たわっているのですから・・・。
帰ってきてからも早めに内容をまとめておくことも大切です。セミナーでもう一つ理解できなかったことも関連情報を集めることで自分のものにすることもできます。復習とは内容を整理し受容と批判の両面の姿勢で自分の考えをまとめあげていくことではないでしょうか。
今日のキーワード
“何事にも臨む姿勢次第で成果は何倍にもなる”