「何を」「どのように」といった表現で区分する | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 アクティビティは作業のくくりとして時間や処理量をはっきりと表せるものとします。すなわち時間計測が可能な、そしてその作業の回数が把握できる単位がいいでしょう。

 「歩く」「掴む」「伸ばす」など動作レベルのものを何回行っているか、その時間はなどはミクロの動作研究などでは有効であっても全体のしくみを分析するにはあまりにも細かすぎて多分、不向きな区分の仕方になってしまうでしょう。

 どれくらいのくくりがいいのでしょう。

「注文を受ける」という活動を例に考えてみます。

 事務の方が電話でお得意先からの注文を聞きながら受注票に一つ一つ書き込んでいったりメモを取る方法があります。お得意先から注文票がFAXで送られてくるものもあります。EOSなどでコンピュータで自動的に取り込めるものもあります。

 アクティビティ表現としては「電話受注」「FAX受注」「EOS受注」と記述することができます。それぞれ「電話で注文を受け受注票に転記する」「FAXで注文を受け注文書をまとめる」「EOSで受注しアウトプットする」などが定義づけられます。

 この三つのアクティビティ表現で手間や時間がずいぶん違うことが分かるはずです。現実に時間調査をしても異なっています。この活動は何らかの形で人が関わっています。電話を取って聞くのは人が絡んでいます。FAXをまとめるのも人が関わっています。EOSでもコンピュータに最終指示をするのは人です。この人がその作業をするには時間を要します。そう、時給900円の方が5分間要したとすると75円かかっていることになります。

 もう一つ、回数をカウントできるということが前提になります。「受注」ということでは「受注行数」などはっきりした数字でカウントが可能です。

 目的はコスト発生のメカニズムを知ることです。どのようなアクティビティにコストを要しているのか、又、どんなアクティビティの組み合わせで総コストが発生しているのかなどを知ることです。このために同じ表現で表せるアクティビティでも「何を」や「どのように」などを区分することで明らかに時間消費などが異なるものは別々のアクティビティとします。

今日のキーワード

“アクティビティ区分はやり方までをキーワードに考える”