場所が広くなれば効率があがるの? | 「ロジスティクス・物流・マネジメント日々雑感」篠原ロジスティクスオフィス 篠原和豊

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 狭いところで作業をやっているともう少し広い場所でできれば効率が上がるだろうとよく考えます。確かに狭いところにものがあふれ毎日荷物の積み替えや個数を数えるのにも苦労をしているところがたくさんあり,その作業が本当にしなければならないことの何倍にもなっていることもあります。

 広い場所にするということは場所代がかかることになります。これに見合ったコストは回収できるでしょうか?

 この増えたコストを回収するのはなかなか難しいものがあります。この増えるコストは黙っていてもかかるコストです。売上げでまかなおうとすると増えるコストの何倍も売らなければなりません。そして今の余分な作業コストが減るでしょうか?スペースよりもしくみを変えることを優先すべきでしょう。


 よくよく考えてみれば、この狭さ、本当の売上げに結びつく取扱量であればまだしも不要不急の品物で場所をつぶしていることが案外多いのでないでしょうか。

 これが問題の出発点になります。

 このあたりから手をつければ今の狭いと思われる場所でも案外広いことが分かります。調達リードタイムが3日であるにも関わらず何ヶ月単位の品物を持っているためものがあふれているのです。せめて10日分にしてみれば何分の一かの量になります。すぐ余裕スペースができます。

 まとめて仕入れた方が何パーセントか安くなるからなどの理由で仕入れるのでしょう。そのためスペースを拡げるための投資をするのでしょうか?それよりも在庫日数の圧縮をすることを優先して実施する方が仕事のしくみづくりには有効です。

 安易に場所を拡げても仕事のやり方が変わらない限り歩行数も増えたりものの積み替えも減らないのでないでしょう。とりあえずは現状の中で考える汗をかいてみること、ここから手をつけることをお勧めします。

今日のキーワード

“安易な方法より汗をかいて考えてみることを!”