口べただから部下をコーチングするなど“とてもとても”と自分の専門領域の仕事に没頭してしまうタイプの方、結構多くいるものです。
特にこのことなら○○さんというほど職場でも一目置かれている方に多く見られます。
周りもその方に任せておけば安心できることからその人の専門領域を侵そうとしません。ますますその方は殻に閉じこもることになります。
このタイプの方が上司の時の部下は悲劇とも思える状況に置かれます。やることはと言えば日常の一般的な業務のみで深く専門的なことまで入っていけません。中にはそのこと自体が居心地の良さになってそのまま停滞定着してしまう方もいればいつまでも大事な仕事を任されない不満からやめてしまう方、周りに上司への不満を公然と言いふらす人なども出てきます。
よくこのような上司の方に対面してお話をしてみると自分の仕事にはプライドを持っています。部下が何人いようとも最後は自分が何とかするとがんばっています。ある面では仕事のできる人と言えます。
他方で部下の方とじっくりと向き合ってコミュニケーションをとることのもどかしさを感じています。自分の話し方が下手だから聞いてくれない、理解しにくいのでないか等々何某かのコンプレックスを抱いています。
このような方にはよく「部下のいいところを観察するようにしてください」とアドバイスします。仕事レベルでは自分とはるかに差があるのは当然です。又、欠点はよく目につきます。しかしじっくりと「いいところを発見する」ように気をくばります。そうすると多くの長所がみつかります。それも自分にないいいところも目につきます。
部下のいいところを発見し、その人を理解すると自分のスキルのこの部分をこんな形で渡そう、こんな話の仕方でなど浮かんでくるものです。そしてコミュニケーションに移ります。
部下のいいところは理解できました。しかし部下は上司である自分のイメージが強く心に残っています。これを払拭していくのが大変です。これにはじっくりと対話するしかありません。まずじっくりと部下の思いを聴いてあげましょう。聞き役に専念するのです。聞き方にはいろいろな効果的な質問のフレーズがあるのですが何よりも聴く態度を重視してください。それも真剣にうなずきやあいづちをうったり顔に出るくらいの表情も自然に出るような聞き方をしてくださいい。そうすれば部下は「真剣に聴いてくれている、信頼できる」という思いが出てきます。
まずは部下を理解する、そして部下に信頼感を与える、ここから始めるしかありません。コーチングスキルはまだまだ場数を踏みながら質問のスキルや承認のスキルなど多様なことがいるのでしょうがまずはよく「聴く」から始めてはいかがでしょうか。
今日のキーワード
“信頼を得る第一歩は聴き上手になること”