日経ビジネス2007.4.9の“先んずべし トヨタ、「世界最強」への格闘“でタイのトヨタ自動車サムロン工場の物流改革試みが掲載されている。
トヨタといえば中間在庫を極力減らす「ジャスト・イン・タイム」、しかしこのサムロン工場では「P(プログレス)レーン方式」。
生産工場と部品工場がじかに結びついたジャストインタイム方式に対して中間に部品が一度仮置きされる集積場が設けられているのがこの「Pレーン方式」。写真で見ても部品が山積みされているのが分かります。もちろん定置や見える化などははっきりと読み取れます。
記事を読み進んでいくと日本と外国の物流インフラの違い、サプライヤーの納入主体とトヨタ主体の引き取り方式、サプライヤーの工場との距離の関係もあることがわかります。
しかし目を引くのは従来の考えでは生産現場直結ですから工場が予定通り生産進行しているときには目に見えないが何かの原因でストップしたときに工場のあちこちで見られる部品と仕掛品が残るのですが、この方式ではこの集積場にすべて置かれているので在庫は個々だけと言っていい状態です。
すなわち生産現場はこの集積場で必要品を集積するのです。いわば生産中の部品を除けばこの集積場が唯一の在庫箇所です。在庫が見えているのです。
この方式を採用することで部品工場からのトラックも満載で運ぶことができ効率が上がります。
トヨタでは工場立地についても物流網を徹底的に調べ絶えず構築作業を行っています。一口にトヨタ生産方式といっても固定化されたものでないことが分かります。大切なのは誰しもが徹底的に改善をし続ける風土を作り出す力なのでしょう。
今日のキーワード
“ジャストインタイムはトヨタ生産方式のひとつである”