住宅すごろく | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

住宅すごろくという言葉があります。親元を離れて暮らし始める時点がスタートで上がりを目指して住み替えていくという流れを指しています。進学、就職により親元を離れて一人暮らしを始めるときは1ルームか1LDKから始める人がほとんどだと思います。

その後卒業、就職により1DK,1LDKと住み替えて、結婚を機に2DK、2LDKとステップアップしていきます。子供が生まれて3DK、3LDKと二人目の子供が生まれて4DK、4LDKと住み替えていくと思います。

 

ずっと賃貸住宅を選択する方、ある時期から持ち家を選択する方と別れていきます。さらに持ち家派は戸建て派とマンション派へと別れていくのではないかと思います。最終的な住み替えが終了した時点が住宅すごろくの上がりとなります。

しかし古い日本では二世帯住宅、三世代住宅が前提でしたので多くの部屋が必要であり住宅すごろくの上がりは4DK,4LDK或いはそれ以上の広さがあったのではないかと感じています。

 

しかし昨今では核家族が当たり前の時代になり子は独立して暮らす社会となりました。4人家族から子供が独立していくと老夫婦二人或いは独居高齢者世帯が増えることとなりました。世帯人数が減ると多くの部屋は不要となって狭い住宅で事足りることとなります。そのため夫婦のみとなった高齢者世帯は広い4LDKから手頃な2LDKと住み替えることにより住宅コストを下げるという新しい流れがでてきました。夫婦から独居になってしまえば1LDKで十分という生活空間になります。

 

広い住宅から狭い住宅へと住み替えると住宅コストは下がります。これは賃貸派、持家派の双方に当てはまります。結果的に住宅すごろくの上りは4DK,4LDKではなく1DK,1LDKという風潮に変わってきたと感じています。住み替えることにより便利になり生活費を下げていくことが老後生活にも有益な手段であることが認知されてきたのではないかと思います。

すなわち「終の棲家」というカテゴリーの住宅が今後はより求められてくるのではないかと感じています。

 

自分自身が高齢者となり住み替えを体験してきて、また事業者として高齢者住宅の管理に携わってきた者として「終の棲家」とはどのようなものであるか次回に述べていきたいと思います。