国民負担率 | 向井幸一のブログ

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所得に占める税・社会保険料の割合である国民負担率は現在は増加の一途で46.7%となっています。収入の半分くらいは税、社会保険料として支払い残りが可処分所得となります。税・社会保険料は国民サービスのために必須であり高福祉高負担、低福祉低負担、その中間といったように政策により決定します。

 

私が社会人となった1975年度の国民負担率は25.7%ですから現在の半分くらいの負担であり可処分所得は現在より多くなっていたと記憶しています。国民負担率が低い分は個人の負担が多いという社会でした。子育てについては原則家庭が責任と負担をもつという考えでした。子供手当など各種手当はなく子供を育てるにはそれなりの費用は家庭で負担するという世の中でした。

 

それでも子育ては楽しいもので親の責任というより親の権利という意識であったと記憶しています。老親の対応についても介護保険制度はなく家庭で対応するということが常識でした。1975年当時は低負担で低福祉であったといえます。負担が2倍近くに膨張した現在は高負担で高福祉を目指しているといえるのではないかと思います。その中間である中負担中福祉を目指してもいいのかなとも考えています。

 

1975年当時と現在で国民負担率が大きく変化していますがそれよりも社会風潮の変化がより大きいような気がします。当時は昨日より今日、今日より明日は良くなるということを実感できていたと記憶しています。良くなると実感できるから個人消費が拡大して経済が拡大し給与所得も拡大するという循環になっていたと思います。

 

現在は国民負担率が増えても将来に対する安心感が実感できないこと、所得の向上が実感できないことが個人消費を控えることとなり経済が停滞してしまっていると思います。景気は正に「気」が重要であり国民が将来に対する不安が払拭されて希望が明確になれば消費が拡大して善の循環が起きると感じています。

 

小手先の政策ではなく10年後、20年後、さらに50年後、100年後の社会を明確に示して必要な負担は逃げずにお願いすること、示した将来像は確実に実現することにより安心して消費できる社会を実現する政府であったもらいたいものですね。