介護職の処遇改善 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

全産業従事者の平均所得より月額で6万円程度低いとされている介護職ですが賃金は介護報酬という公定価格により決まってしまいます。政府では来年度から月額6,000円程度の処遇改善を行うとのことなので他産業との差は小さくなるかもしれませんね。全産業とも物価高騰の影響から賃金を上げるよう努力しているので月額6,000円では他産業との賃金格差は拡大するかもしれません。

 

東京都では来年度から介護職の収入が月額で1万円~2万円程度増えるように支援するとのことです。介護需要が高まる現状で収入格差は働く人には大きな問題となりますので東京都がさらなる支援で収入アップを支援することは有意義であると感じています。しかし介護職の処遇改善は国が全国的に改善することが本来の姿だと思います。介護報酬という公定価格で統制しているので地方で改善することは難しいと考えています。

 

増えていく介護需要に対して介護職の増加は追い付いていないので保険あってサービスなしという結果にもなりかねない状況にあると思います。東京都が独自支援策を講じることは大変ありがたいことだと思いますが格差の拡大は介護職の偏在にもつながりかねませんね。介護職の不足は危機的な状況にあるので地方公共団体としては介護力確保のために独自支援策を講じることは理にかなっていると思いますが本来は国が全国一律で介護報酬改定により処遇改善を図っていただくほうが健全だと思います。

 

いずれ誰もがいく道である高齢者、高齢者になれば要介護状態になる確率も上がることを考えると真剣に介護力の確保に取り組む必要があると思います。財源としてただ公的負担がこれ以上増えることは現役世代を含めて厳しいものがあると感じています。

保険制度の根幹である受益者負担を考えると保険料を上げることも検討の必要はあると思いますがまずは利用者の負担増を先行させるべきではないかと思います。

 

いずれにしても10年、20年のグランドデザインを示して国民負担、利用者負担がどのようになっていく保険制度なのか明示して国民が安心できる社会保険制度を構築していただきたいものですね。そして介護職が自信と誇りをもって安心して働くことができる仕事になっていくことを期待しています。