緊急事態宣言 | 向井幸一のブログ

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都府県知事からの要請を受けて1都3県への緊急事態宣言の発出について政府は検討を始めるとのことですね。感染拡大が止まらず医療が逼迫して通常・緊急医療体制に限界が近づいている現状では遅きに失した感がありますね。緊急事態宣言を発しても罰則はなく要請ばかりなので今回は効果があるかどうか不明ですが何もしないよりはましかなという程度の期待しかないですね。

 

昨年末には国会を早々と閉会して年末年始休暇に入ってしまうのでは対応が遅いと言われても仕方ないと思います。昨年の国会では特措法改正案について野党が法案を提出していたのに審議すらしないで休みに入ってしまったことは危機感が欠如しているとしか感じませんね。自粛要請だけでは国民は耐えきれないと思います。自粛要請には休業要請と休業保障をセットにすることが必須だと感じています。昨年の国会で改正法案を成立させておけば良かったですね。

 

自粛要請に対して日本人は愚直に従うという国民性によって感染拡大を一定程度抑止するという効果がありましたが国民性にも変化がみられるようになってきたと感じています。現在でも多くの国民は他者を思いやる気持ちで自粛行動をとりますが一部では自分だけは大丈夫という安易な考え方をする人も散見されるようになってきました。昨日の箱根駅伝では主催者から沿道での応援自粛要請があり前年と比較して沿道での人出は85%減との結果でしたが15%の人は相変わらず自粛要請には従わなかったようですね。

 

箱根駅伝の自粛要請の背景には「休みなく働いてくれている医療従事者の負担がさらの重くならないように」「本戦出場以外の選手は寮でリモート応援」「選手家族も自宅からリモート応援」等の自粛措置を講じての大会でした。インタビューに応じる選手も一応に大会が開催されたことに対する関係者への感謝の気持ちを一様に述べていたのが印象的でした。他者を思いやる想像力はとても大切だなと改めて感じました。私も例年であれば沿道で応援していましたが今年は自粛しました。

 

一方で沿道で観戦した人たちへのインタビューでは「自粛要請があったので少なくなって好都合」「外なので感染リスクは少ないと思った」等の回答がありました。選手、大会関係者、沿道での応援を自粛した本当のファンとは考え方が大きく異なるなと思いました。自分だけは特別、自分だけは大丈夫という考え方の人は少数ですが一定数は存在します。そのような人たちが存在する以上は強制力がない自粛要請でなく強制力のある特措法改正が必要かなと思うと残念ですね。

 

海外からは日本人は罰則で強制されなくても自粛できる完成度の高い国民性が評価されていましたが変質してきたようで残念です。大臣から国民に会食自粛要請しておきながら自らは連日連夜会食するという姿勢からも国全体が変化しているのかなと感じています。他人を思いやる気持ち、謙譲の精神、我慢できる国民性等の日本人固有の国民性が失われていくことはとても淋しいですね。