103万円の壁 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

年末が近くなると毎年103万円の壁が課題となってきます。パートで働いていただいているスタッフは世帯主の扶養控除の枠である103万円を超えないように働いています。例年では11月ころに103万円を超えそうになって出勤調整する方がいますが今年は既にボーダーラインまで達してしまった方もいます。

 

処遇改善加算金があるために例年より収入が増えてしまったということが一因です。扶養控除枠の範囲内で働きたいという方も多くいますので神経を使うところです。2018年から150万円ま引き上げるようですが社会保険料負担が発生する130万円の壁はそのままなのでおそらく150万円まで引き上げても現実は130万円でという方が多くなるのではないかと思います。

 

女性の労働市場への参加を促す目的で控除枠を撤廃しようとしましたが現実的ではないということで拡大した経緯があります。単純に労働力確保のために女性の労働参加を促すのであれば控除枠をもっと拡大していただいたほうが効果的ではないかと感じています。

 

また処遇改善加算金は個別に給付金として交付するようにすれば所得に算入されないのでより働きやすくなると思います。労働力不足のために女性の参入を期待するのであれば税制とは別に働く人の立場になって制度設計していただきたいと思います。

 

介護職は全産業と比較しても年収ベースで120万円以上低いという現状です。今後の労働力不足はより深刻になるのではないかと危惧しています。一般産業であれば価格に転嫁できますが介護は公的保険であることから価格設定は自由に行うことはできない仕組みになっています。

 

介護職は今後も需要が増えていくことが確実なので報酬面でも他の産業と遜色がない程度には改善していただきたいですね。事務負担も減らす方向に向かえばいいですがより煩雑になる傾向があります。現場に即した柔軟な制度になってもらいたいなと願っています。