公助・共助・自助 | 向井幸一のブログ

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高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

社会保障制度には「税による公助」「保険料による共助」「自費による自助」とありますが組合わせて提供されるサービスがほとんどですね。介護サービスに関しては従来は税による公助が主でしたが2000年の介護保険制度が始まって共助が主なサービスになりました。

 

介護保険制度創設時には「与えられるサービスから自らが選ぶことができるサービスへ」と変わりますという謳い文句でスタートしました。しかし時が経つにつれて保険料アップ、サービスカット、個人負担増と変遷して自助という側面が大きくなってきました。

 

国会で審議中の介護保険法の改正では介護保険サービス利用時の自己負担について高所得高齢者は現行の2割から3割負担へと負担増になる予定です。結果的にサービス利用時の個人負担についてはゼロの高齢者から1割、2割、3割と4種類になるようです。公助から共助、そして自助へと変化しているようです。

 

毎年のように保険料が増えて、サービスが減り、個人負担が増えるという現状では本当に持続可能な制度といえるのか不安になります。一方では事業者に支払われる介護報酬は減算ばかりで介護職と他の産業との収入差は一向になくならないという現状です。

 

個人消費が縮小しているのは収入が増えないことに加えて将来の不安を払拭できないことが原因であると感じています。将来不安をなくすためには毎年のように制度変更するのではなく中長期ビジョンを明確にすることが必須ではないかと思います。

 

負担はどこまで増えるのか、受けることができるサービスはどこまで削られるのか、個人負担はどこまで増えていくのか20年後、30年後の姿を明示することが必要であると感じています。長期の社会保障制度の姿が目に見えてくれば安心につながり個人消費の拡大にも効果があると思います。

 

その場しのぎの政策ではなく国家観を明らかにして将来像を示すことが結果的に個人消費の拡大、景気回復につながるのではないかと思います。中長期のビジョンを明確にして不安を払拭していただきたいものですね。