介護のプロとしての資格に介護福祉士があります。昨年は１６０，９１９人の方が受験しましたが今年の申込みは半分以下の７９，１１３人と激減しているそうです。原因は受験資格の厳格化にあると分析しています。
昨年までは２級ヘルパーの資格者は実務経験３年以上あれば受験資格がありましたが今年から別に実務者研修修了という条件が加わりました。研修時間が結構長く必要であり２級ヘルパー資格者で３２０時間、資格無では４５０時間という研修を修了する必要があります。
介護技術の複雑化、医療行為の一部解禁等のために創設された研修制度ですが介護職の不足が深刻化している現状では逆行しているような気がします。
研修は有料ですが介護福祉士資格を取得しても資格手当が高くないので魅力がないという面もあるとのことです。
介護福祉士が提供するサービスの評価は介護保険制度ではほとんど報酬に反映されないので仕方ないところかなと感じています。もう少し評価してもらいたいと思っています。加算評価するどころか２級ヘルパーによる介護サービス報酬を減算することまで検討しているようです。
介護離職ゼロを目指すとしていますが肝心の介護力の確保は置き去りにされています。さらに受験資格をより困難になるよう規制を強化してはますます介護スタッフが不足する結果になりそうな気がします。
保険料は毎年上がって、サービスはカットされ、利用時の自己負担は上がっていき、介護職の確保は年々、困難になっています。政策目標と整合性のある施策を本気で実行していただきたいですね。保険あってサービスなしが現実化しないような制度設計をお願いしたいものですね。