家 | 向井幸一のブログ

向井幸一のブログ

高齢者住宅の管理運営をしている高齢者のブログ

家に帰るのは落ち着きますね。その前提として「家」は住まいとして居心地がいいものであることが求められると思います。高齢者住宅が急激に増加していることもあって視察、改善指導にお伺いすることがあります。「住宅」なのか「施設」なのかを見極める必要があります。いくつか着眼点がありますが最初に判定することはエントランスを入ってすぐ分かります。


それは各戸の郵便受けの有無です。サービス付き高齢者向け「住宅」という名称であっても各戸別の郵便受けがなく集合郵便受け1つという物件が結構あります。「住まい」でありながら自分専用の郵便受けすらないというのは不自然といえます。集合郵便受け1つしかない物件ではおそらく管理人が郵便物を分別してお客様に配っているのではないかと思います。


生活にはリズムが大切だと思っています。今までのリズムとできるだけ変わりない生活を送ることが自立支援つながると思います。自分専用の郵便受けがない、お部屋にお風呂がない、キッチンもないということは日常生活に大きな変化が生じると思います。

私は介護の専門家ではありませんが住宅屋として自立支援のために住まいは大切であると思います。


今までは日常生活の中で自然に自分専用の設備を使っていたものが管理者から配布されたり使用を指定・制限される生活になってしまうと環境の変化に追い付かないのではないかと思います。

郵便受けに郵便物を確認にいく、一人で不安な場合にはスタッフに同行してもらう、体調が悪いときにはスタッフに確認にいってもらう等の能動的で自主的な行動が自立支援につながると思っています。


チェックポイントはまだまだたくさんあります。エントランス周りだけでも複数のポイントがあります。

住まいの性能、あり方は入居者のライフスタイルに直結します。自由に選択できることを基本にして管理者が禁止・制限する事項はできるだけ減らしていくことが尊厳ある日常生活の実現に近づくと思っています。


自由で自立支援を実現できる住宅を増やしていきたいですね。