今回は、当店でマニフレックスのフラッグFXとセミオーダーメイド枕をご購入頂いた20代男性のお客様のお話です。
マットレスと枕を使い始めたのはこの冬からです。最初は問題なく快適に使っていたのですが、4月に入ってから起床時の寝相の悪さ(おかしさ)に気が付いたそうです。仰向けで寝付いたのがうつ伏せになっていたり、一度ベッドから落ちてしまったそうです。
購入時から併用して頂いてる綿の敷パッド(ベッドパッド)の洗い替えも欲しくて再来店頂いた際に、その様な相談を受けました。
睡眠と寝具の関係性において、寝相の悪さを生み出す原因でもっとも可能性が高いのはふとんの中の「ムレ(蒸れ)」です。
まず寝る時の服装をお聞きしました。
すると上下ともジャージ(スポーツ用ウェア)だとおっしゃったので、それが寝相の悪さの原因の可能性は非常に高いとアドバイスしました。スポーツ用ウェアのジャージは、組成がポリエステルの商品がほとんどなので。
とりあえず、「今晩は上着だけでもお持ちの綿のロングTシャツを使ってみて下さい」と提案しました。睡眠時にかいた汗に最初に対応する寝具はパジャマ(寝ている時に着る服)です。何よりも吸湿性を一番に考える必要があるのです。
また、掛布団は何を使っているかもお聞きしました。
こちらの答えは冬用の羽毛ふとんにタオルケットを内側に使っているとのことでした。これも年齢と性別、体型を考慮すれば、恐らく冬用の羽毛ふとんではもう暑過ぎるので「持っている薄めの肌掛ふとんに替えても良いかもしれません」ともアドバイスしました。
ただ、持っている肌掛ふとんの詰め物(中ワタ)の素材はポリエステルの可能性が高いとの事だったので、肌掛ふとんを使うならば内側に使っているタオルケットはそのまま使ってもらい、少しでも吸湿性を補ってもらう様にお願いしました。
実は日本の羽毛ふとんは中身の吹き出しを防止するためにダウンプルーフという目詰まり加工を施してあります。この加工が羽毛ふとんの吸湿性を悪くしてしまう為、使う人によって使える時期に大きな差が出ます。(女性やご年配の方でしたら、今の時期でも冬用の羽毛ふとんを使える人はいると思います。)
睡眠時にかいた汗を最初に吸わせるのがパジャマ、次にカバーもしくは敷パッド(シーツ)、最後に掛布団や敷寝具の順番で体から遠ざけていくのです。
気温が低く乾燥している日本の太平洋側平地の冬の場合は、ある程度のムレ(湿気)は暖かさとして感じる事が出来るのですが、季節が冬から春になり暖かくなるとそうはいきません。限度を超えたムレによる気持ち悪さを解消しようと、あちこち動き回り、寝相の悪さとして自覚するのです。
季節に関係なく、自分は寝相が悪いなと感じている方は寝ている時のふとんの中のムレを気にしてみて下さい。特に大人の男性ですかね。
ちなみに、子供の寝相の悪さは脳の神経回路の発達具合に関係するものなので、ある意味で自然だと考えた方が良いでしょう。だからと言って子供の寝具には吸湿性を考慮しなくて良いという訳ではありませんよ。むしろ子供の寝具こそ吸湿性の良さが一番大切です。睡眠時の発汗量が大人とは桁違いに多いですからね。
今回のお客様は状態が改善しなければ、また相談に来ますとの事でした。
改善しても来てほしいですけどね。
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by sleepdesigner:圭
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