夢 出会い 魔性 -184ページ目

夢 出会い 魔性

日記だったり思い出だったり願望だったり不倫だったり。




ご主人さまの口唇がわたしに触れてる。

それだけで堪えられない。


「う…う、うん、あっ、」


重なったままの口唇の隙間から、ぽろぽろと声が零れてく。

気持ちよくて我慢ができない。

また長いキス。

息が詰まりそう、詰まりそう。



「あっ!あああぁぁッ」


耳元が熱い。
ご主人さまの呼吸で熱い。
耳たぶを甘く噛まれて、溶けそうに熱い。
喉の奥からズルズルと声が引き出されてく。

止まらない
止まらない

悲鳴みたいな声が止まらない。


「あーッ、あっ、あっんっ、んんんッ」


耳が弱いの知ってるでしょう。

初めての時も耳たぶを噛まれて立っていられなくなった。


自分の意思とは関係なく、身体がビクンって跳ね上がってゆく。

繰り返しビクンビクンって。

気持ちよくて仕方ないのに、頭はふるふると横に振れてしまう。

まるでイヤイヤしているみたい。


はあっ、はあっ

きっと胸は激しく上下してるだろう。


ご主人さまの舌先が首筋を辿って下におりてく。

口唇も舌もずっとわたしに触れたまま。

鎖骨のあたりから肩のほうに。

肩から腋の下に。


「いや」


そんなところはイヤ。

触れられ慣れていない場所に舌をはわされ、
抵抗しながら小さく身を捩った。

それでもご主人さまの口唇はわたしの身体から離れない。


(なんだか身体中…)


身体中ぜんぶ愛されているみたいだ。

どこもかしこも全部。

全部、愛してくれようとしてるみたいに感じる。
指先まで全部。


乳/房を揉みしだかれて、また大きな声が洩れた。

小振りな乳/房を揉みしだきながら、ご主人さまの舌が這ってゆく。

わざと乳/首を避けて、焦らすように。


背中がベッドから浮き上がってく。

じっとベッドに沈んでいることなんて出来ない。


「あ…、もっと」


切なさを訴える言葉がわたしの口元から零れ始めた。

もっと触れて欲しい
もっと感じさせて欲しい


「もっと、もっと、…あっんっっ」



乳/首を舌で転がされて、身体はまた魚みたいに跳ね上がった。






「気持ちいいの?」

「んっ…う…、きもち…いい、きもちいい」


ご主人さま自身を口に含んでいることが気持ちいい。

じゅる…と響く、口元から零れる水音が気持ちいい。

だらしない自分が気持ちいい。

乱れてく自分がたまらなく気持ちいい。

格好をつける必要もない。

感じるままにご主人さまを貪ればいい。

喉の奥まで含んで、呼吸が出来なくなる部分に先端を当てる。

鼻からも呼吸が出来なくなるの、不思議。

ぜんぶ閉じられてしまうの、不思議。


「ふぁっ、はっ、あっ」


ぎゅう…と、ご主人さまの両足が、わたしの身体を挟み込む。

あ…くるしい

くるしくて気持ちよくて意識が保てなくなる。

朦朧としながら、右手の中指が自分の身体の中心に伸びてく。

自分の身体から洩れたいやらしい液体が、自分の指を汚した。

そんなことも嬉しい。

わたし…ご主人さまに欲/情してびしょびしょになってる。

視界が揺れて定まらない。

ご主人さまの太ももが、もっと強くわたしの身体を挟んでくる。

抱きしめるみたいに
絞り上げるみたいに



「あ…あ、あ、わ…わたし、」

「どうした」

「わたし…いき…そ…う、いきたい、もう」


身体の奥のほうがビクビク波打っているのを感じた。

んっ、んっ、って声を洩らしながら、夢中でご主人さま自身に舌を這わせた。


「んーっ、んっ、んあっ、あっ」


身体中にギュッと力が入って、
ぶるぶる震えながら丸く縮こまってゆく。

ビクン、ビクンって感覚が、身体の奥から指先に向けて走り抜けてく。

それからフワッと力が抜けて、
カクン…とご主人さまの足元に崩れ落ちた。



「いっちゃったね」

「う…うん、いっ…ちゃっ」


はあっ、はあっ、と荒い呼吸と一緒に、肩が大きく上下している。

ちからが入らない。


「おしゃぶりだけでいっちゃうんだね」

「う…、はあっ、」


コク、と頷くことしか出来ない。

身体中に弱い電気がピリピリと流れているみたい。



起き上がったご主人さまが、ちからの入らないわたしの身体を引き寄せる。

ずる…って、ベッドの上を引きずられてるみたいに感じた。

それからドサッと放り出された。

ベッドのスプリングで、身体が少しだけ上下に揺れてる。




トロンと蕩け出した意識の向こう側にご主人さまが見える。

わたしを見下ろしてる。

ゆっくり口唇が降りてくる。




口唇と口唇が触れた瞬間に、
ピリピリ電気が流れていた身体が、大きくビクンと跳ね上がった。






長い長いキスをして

少しだけ口唇が離れて

まだ足りなくて重ね合わせて

唾液や呼吸や舌や声を混ぜ合わせて



長くて深いキス

激しくて優しいキス

こころと身体が蕩けだす



「すき」

「俺も大好きだよ」


大好き?

だいすき…今、そう言ったの?


理解できない



「すき」

「大好きだよ」

「すき」

「大好きだよ」

「すき」

「大好きだよ」

「……にくらしい」

「なんだよ(笑)」


それきりご主人さまは大好きとは言ってくれなかった。


「…ごめんなさい」

「ん?」

「…にくらしいって言ったから」

「はは」


苦い後悔。
素直に喜べば良かった。

でも胸が千切れるみたいに痛かったの。

聞くことに堪えられないくらい。



「すき」

もう「大好き」とは返ってこない。

判ってたこと。

返して貰えなくなった口唇に、また口唇を重ねた。

言葉じゃなくても身体で感じられる。

舌先で口唇をなぞって
わたしの呼吸なのかご主人さまの呼吸なのか判らなくなって

行為自体が1つの『会話』なんだ。

たくさん話したければ、たくさん感じればいい。


身体中がしっとり汗ばんでゆくのを感じた。

まだキスをしただけ。

わたし、ひどく高ぶっている。

こころと身体は連動しているんだ。



ご主人さまと視線を絡ませたまま、舌先で身体を辿ってゆく。

いとしいよ、ぜんぶ。
あなたのぜんぶがいとしい。


蕩けてゆく意識が、朦朧と辺りを漂いだす。


ああ…わたし

もう達してしまいそう


自分の耳に届く呼吸音が荒い。

はあっ、はあっ

ご主人さま、見て。

わたし、あなたの身体で乱れている。



「う…ん、うっ」


舌先がご主人さま自身にたどり着いた時には、
もう完全に身体ぜんぶに火が点いたようになってた。

ゆら…と腰が動く。

背中がしなって弓なりになってく。


あ、あ、って、達するみたいな声を上げながら、ご主人さま自身を口に含んだ。



すごくつらい


わたし、たぶんなにかをなくした


でも、なにをなくしたのかわからない


まいにちご主人さまとメールしてる


でんわもしてる


なにもかわってない


ご主人さまはいる
いてくれてる


でも、なにかなくしたんだ


じゃなきゃ、つらくないはず


なにをなくしたのかわからない


ねむいよ





軽く髪を乾かして洗面所からお部屋に向かうと、
ご主人さまはベッドの中でゴロと横になっていた。


タオルを身体から外して、ご主人さまの隣に身体を滑り込ませてく。


「あ」

「なに?」

「…呆れない?」

「なんだ?」

「おしっこ…かけて欲しかったの」

「そうなの?」

「前にかけて貰った時に気持ちよかったの。あたたかくて。抱きしめて貰っても体温は感じるけど、おしっこは液体だから身体中全部まんべんなく温かくて、包まれてる感じがした」

「そうか」

「わたし変?」

「そんなことないだろ」

「写真撮っていい?」

「なんの」

「顔はダメでしょ?」

「ダメ」

「知ってる(笑)」

「…明日、一緒に撮ろう」

「え?」

「一緒に撮ろう」

「いいの?」

「撮りたくないの?」

「撮りたい!」

「明日な(笑)」

「いま、手の写真とる(笑)」


ベッドの中でご主人さまと指を絡めて手を繋いで写真を撮った。

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明日は初めて一緒に写真が撮れる。嬉しい。



「…キスマーク…付けていい?」

「いいよ」


今まで聞いたこと無かった。
いつも勝手にぺたぺた付けてた。



でも今日は、もしかして他の女の人と…って考えてしまった。


わたしがキスマークを付けたら、まずいのかも知れないし。


いいよ、って言われてから、ご主人さまの胸元に口唇を寄せた。

少し口唇をすぼませるようにして、ご主人さまの皮膚を吸い上げる。

花びらみたいな紅い跡をたくさん付けたい。
たくさん。


「…付けて」

自分にも付けて欲しくて、胸元をご主人さまのほうに突き出して見せる。

背中に腕を回して、ご主人さまがわたしを抱き寄せるようにしながら胸元を吸い上げた。

自分の胸元を見下ろすと、ご主人さまが付けてくれた紅い跡。


「うれしい」


仰向けになっているご主人さまに覆いかぶさるように口唇を重ねた。

舌を絡ませて離して絡ませて

触れている口唇の角度を変えて深くしたり浅くしたりして




まだ

まだ

まだ離れない



離れられない長いキスをした。