メキシコ🇲🇽の三姉妹による次世代ロックバンド
ザ・ウォーニング
(THE WARNING)
左から
ギター・ボーカル担当
長女のダニー
(ダニエラ・ビジャレアル・ベレス
2000年1月30日生まれ 現在23歳)
ドラム・ボーカル担当
次女のパウ
(パウリナ・ビジャレアル・ベレス
2002年2月5日生まれ 現在21歳)
ベース担当
三女のアレ(アレハンドラ・ビジャレアル・ベレス
2004年12月13日生まれ 現在18歳)
10月23日
スペイン🇪🇸語版ローリング・ストーン誌に、
ザ・ウォーニングの特集記事が掲載されましたのでご紹介します。
非常に興味深い内容となっています。
一部意味が取れない部分は意訳していますのでご了承を。
ザ・ウォーニングは前進する
強固で誠実な音楽を携えて
一年以上に渡るツアーの後、メキシコ🇲🇽の三姉妹はスタジオで作業を行なっています。
彼女達は彼女達自身の次の章の準備をしているのです。
それはあなたがもっと(More)欲しくなるものになるでしょう。
早朝。
コロンビア🇨🇴の首都・ボコダでの初ライブの為、ダニー、パウ、アレが到着しました。
空港では、2ダース以上のファン達が彼女達をずっと待っていました。彼女達のツアーではよく見られる光景です。
ザ・ウォーニングへの興味
血縁で結ばれた ハードロック
実は、
メキシコ🇲🇽のバンド、ザ・ウォーニングがボコダで演奏するのはこれが3回目。
これまでの2回はロック・アル・パルケ(Rock al Parque( ボコダの無料ロック・フェス)への出演でした。
1回目はフェスティバルの小さなステージで演奏し、
2回目はエピカ(Epica )
オランダ🇳🇱の老舗シンフォニックメタルバンド
個人的にアルバム『Design Your Universe』(2009年)はよく聴きました
の直前にメインステージに立ちました。
どちらの演奏も素晴らしいものでした。
3姉妹にアンテナが向いていなかった何千人ものメタルヘッド達が彼女達の演奏に頭を振ったのです。
今回の3回目のライブは更に特別なものとなりました。
完全なる単独公演。
ここにはただ彼女達を見るためだけの為にファン達が会場に集うこととなるのです。
「私達の音楽が私達を色々な場所に連れていってくれてます。その場所でどんどん沢山の人々が私達をサポートし始めてくれているのを見る事ができるのがとても嬉しい」
ライブ前日の午後、雨が降り続く中でパウはそう語りました。
彼女達の3枚目のアルバム『エラー(Error)』(2022年)
のリリース前から三姉妹は地元メキシコ🇲🇽で単独のライブを行い、アメリカ🇺🇸では2回ツアーを行いましたが、
メインアクトとしてもっと遠くの他の土地へと足を運ぶようになったのは去年から。
空港でのレセプションとボコダでのツアー日程が全てソールド・アウトとなる中、ビジャレアル姉妹は、彼女達の音楽が違った国の人々の耳を制圧していくためには、何千何万キロもの旅を乗りこなしていかなければならないことを学び始めていました。
今年のザ・ウォーニングは落ち着いてません。
何故なら彼女達は音楽がバスや飛行機の中にかかってなければ、4枚目のアルバム曲を作曲し、録音していたからです。
この作品で唯一分かっていることが、
"もっとハードロックよりもオルタナティブな雰囲気があり、これまで追いかけてきたファンの何人かが「心配」するようになったキャッチーな曲"(ほぼ間違いなく「More」)のことです。
このシングル曲は良い楽曲ではありますが、バンドの幅広いスタイルの別の角度を示している事実に加えて、メンバー達にとって「ほんの一面」でしかないことが分かっているので「心配」は無用です。
アルバムをどう作ればよいのか殆ど知らなかった2015年のデビューEP『Escape the Mind』。ザ・ウォーニングの中でも最も概念的な1stアルバム『XXI Century Blood』(2017年)、2ndアルバム『Queen of the Murder Scene』(2018年)。
三姉妹はかつて探究したことの無い面を発見するという本能で自らを助け、結果として最も重要である「誠実な音楽」を我々にもたらしてくれています。
『エラー』が発売される1年前に、三姉妹はスペイン🇪🇸語版ローリング・ストーン誌に対して「K-POPなど、単に聴くだけでは解読できない他の音楽ジャンルからインスピレーションを得ている」、とスペイン🇪🇸語で語ってくれました。
K-POPなどの多様な音楽ジャンルが『エラー』のどの楽曲にサウンドの面で影響を与えたかはかなり曖昧ですが、
殆ど知られていないのは他の要素、「ファンキー」なドラムと「より難しい」ラインがあるということです。
「このアルバムではロックをもう少し探究したかった」
そうダニーが説明してくれました。
「私達は自分の内にある音楽ジャンルの全てを実験し、さまざまな要素を持つロックの本質というものを、どういった新しい場所へと導いていけるのかを試みることが好きなんです」
この『エラー』アルバムを制作するにあたり大きな収穫となったのが、彼女達が姉妹であることに起因するその密接な関係や習慣ゆえにこれまで見る事ができなかった新しい地平線を見るため、他の作曲家との共作"という扉🚪を開いたこと。
これまでずっと三姉妹は誰にもプロセスを関与されることなく曲を書いてきましたが、アーティストとして成長するためにはこの共作を利点としてみなす事も含まれていました。
「私達は自分自身にリミットを設けません。
しかし、ミュージシャンとして、私達が持っているものとは全く別の能力を持つ人と組む事で、出来うる限りの違った世界を見せられたことは非常に興味深い出来事でした」、とダニーは語りました。
ザ・ウォーニングへの興味
私達はどこまで来たのか
ザ・ウォーニングはもう少しで結成10周年を迎えます(2013年に結成)。
「エンター・サンドマン」のカバー曲の発表は、この惑星の様々な地域の人々にこのメキシコ🇲🇽のバンドを知らしめる結果になりました。
2021年にヘヴィ・メタルの巨人・メタリカが、カバー・アルバム『The Metallica Blacklist』に参加するよう招待したことで、
メタリカのクラシック曲「エンター・サンドマン」を、アレッシア・カーラと共にザ・ウォーニングバージョンで録音するという夢を叶えました。
彼女達がこの曲を演奏する時は、ファンはこの曲が持つ意味を非常によく理解しているので、ライブで最も期待されている瞬間となっています。
ボコダでは、仮にただのコーラスであったとしてもオーディエンスにとって知らない曲はありませんでした。
「マネー」や「エラー」「マルティリオ」といった曲は既に代表曲となっていました。
ファンは紙幣を振ったり、コンピューター障害の兆候を予測したりしていました(多分モニターのコールのこと)。
(多くの曲のメイン・ボーカルである)ダニーは目の前の人の波に少しナーバスになっていましたが、パウとアレの協力で三姉妹が今年どれだけ成長したかを示してくれました。
このモンテレイ出身のバンドは、ロック界で最も有望なバンドのひとつとして位置づけられ、堅実で落ち着いたステップで、安定したキャリアを構築し続けています。
ロックというジャンルの現状を議論する人の中にはザ・ウォーニングのことを「救世主」と呼んでいる者もいます。
しかしザ・ウォーニングは「救世主」ではありません。
バンドが優れた音楽プロジェクトでないという事を言っているのではなく、
そもそも保存するものが何も無いからです。
ロックは死んだ事は一度たりともないのです。
問題となっているのは、
過去を手放さないか変化を受け入れないといったことにあり、
ビジャレアル姉妹もそう考えているようです。
「人それぞれロックとはかつて何であったかという事についてあるビジョンと概念を持っているので、
突然その考えを取り払って今現在のロックがどのような姿をしているのかを認識することが困難になっている事があります」
とパウは言います。
「ロックとは常にその形が大きく変化するジャンルであって、
障壁を破り、新しいサウンド、新しいミックスを探究することなのです」
彼女達にとってこのロックというジャンルは、これ迄ロック自らが長い間持っていた全てのしがらみから脱却しており、ダニー曰くその試みはかなり大胆になってきているとのこと。
ロックは0%死んでいるような気がする。
ロックはただ違う生き方をしているだけ。
とダニーは言う。
ザ・ウォーニングはそのロック・バンドのひとつなのです。
今回は記事をご紹介しました。
分かりづらい部分はご容赦を。
それでは。