(104)メキシコの三姉妹バンド、ザ・ウォーニングに影響を与えた10のロック・アルバム その3 | skyp2tの音楽が好き!

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メキシコ🇲🇽の三姉妹による次世代ロックバンド


ザ・ウォーニング

(THE WARNING)






いきなりですがテイラー・スウィフトの話から。


Taylor Swift




テイラー・スウィフトがワールド・ツアー『Eras Tour』でメキシコ🇲🇽の首都、メキシコシティのForo Sol(フォロ・ソル)に来たそうで。




意外なことにテイラー・スウィフトがメキシコでコンサートするのは初めての事だそう。



フォロ・ソルといえば、今年1月にザ・ウォーニングMUSEのワールドツアーのオープニングアクトで演奏した野球場🏟️兼コンサート会場。



Folo Sol



そのフォロ・ソルでの 4日連続のコンサートの初日、8月24日にザ・ウォーニングの長女ダニーと次女パウが観に行ったようです。




パウも曲に合わせてめっちゃ歌ってます。


 




1分半程度ですが、当日のライブ動画があったんで。

フォル・ソルはライブでの最大収容人数が5万5千人なんで壮観です。

テイラー・スウィフトはメキシコ🇲🇽でも大人気ですね。


パウも歌ってましたが、メキシコ🇲🇽の人はみんな大声で曲を歌うんですよね。英語なのに。



ザ・ウォーニングも将来アリーナクラスの会場でヘッドライナーツアーをすることを夢見ているはず。




本題へ。

 

直近の18日にローリング・ストーン誌スペイン🇪🇸版で特集された記事




メンバーの音楽性に影響を与えたアルバム10選から、その続きです。今回は4枚目から。



4. Pink Floyd(ピンク・フロイド)

 -P.U.L.S.Eパルス;ライブアルバム)

   (1995年6月6日発売)


P.U.L.S.E(Live Album)


私達は小さい頃からこのアルバムをたくさん聴いてきました。音楽と歌の世界とはなんであるか、音楽の持つ沢山の側面を私達に見せてくれました。

収録曲「Comfortably Numb」は私の人生を変えました。デヴィッド・ギルモアが私の心を揺さぶったギターソロは、いまだに私にとって印象深いものであり続けています。

言葉ではなく、心と魂に届く、音を通してのコミュニケーションは、私がミュージシャンになることに恋させたのでした。- ダニー





ダニーはこれまでもフェイバリット・ミュージシャンは?と聞かれると、



ピンク・フロイドデヴィッド・ギルモア




David Gilmourの若い頃



※1946年生まれなんで現在77歳。



と、ことある毎に答えてきた訳なんですが。

現在23歳のダニーが何故ゆえにデヴィッド・ギルモア


という疑問はあったんですが、今回の記事でなんとなくわかったような気がします。




ザ・ウォーニングのメンバーが、事あるごとにフェイバリット・バンドとして挙げているミューズ



ミューズの出身はイギリス🇬🇧のイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿


実はピンク・フロイドもイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿出身のバンド。



2001年にセカンドアルバム『Origin of Symmetry




のレコーディングの時にプロデューサーからピンク・フロイドのアルバム『狂気』を初めてきちんと聴かされ、衝撃を受けて以降、かなりの影響を受けている、


との証言をギタリストのマシュー・ベラミー

2021年にこちらのインタビュー記事でしてますね。






2006年に発売したミューズ4枚目のアルバム『Black Holes and Revelations


Black Holes and Revelations


では、ピンク・フロイドの『ザ・ウォール』が制作された古いブドウ農園でレコーディングを行なう程までにリスペクトの度合いを強めていったそう。



ピンク・フロイドはアルバム『狂気』の爆発的ヒットてライブ会場を拡大していく過程で、

サイケデリック期に実験的に行ってきたライト・ショーを更に進化させていき、現代のアリーナ・ロックのライティング技術やスペクタクル・ショーの演出などの原型を作ったことでも知られています。


ミューズにとっては大いに参考になるバンドだったのかも。




ピンク・フロイドのアルバム『アニマルズ』のライブでは巨大な豚が会場を舞ったそう。

(脱退したロジャー・ウォーターズとの訴訟に負けた新生ピンク・フロイドは後に豚の使用が出来なくなった)




こちらはミューズのスペクタクルなショー




同郷🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿のアイアン・メイデンもスペクタクルなショー演出にかなり影響を受けていると思いますね。

(ベースでブレインのスティーヴ・ハリスは大のプログレッシブ・ロック好きなのは有名)




ここでダニーが大きく影響を受けたという曲、

アルバム『ザ・ウォール』収録曲

Comfortably Numb』を

1994年パルスライブの演奏で。


Comfortably Numb



4分45秒あたりから約5分のギターソロ、凄いです。


多分ダニーがいう通り

このアルバムのデヴィッド・ギルモアの演奏を聴いて、ミューズマシュー・ベラミーと同じような感動を受けたんではないかと。

マシュー・ベラミーデヴィッド・ギルモアの影響を受けたとは知らずに。



日本人としてはプログレッシブ・ロックといえばキング・クリムゾンイエスといったテクニカル系の音楽を連想したりするんで、


ピンク・フロイドを聴いても"ブルーズ・ロック"じゃないの、と思ったりもするんですけど、


欧米人にとってはプログレッシブ・ロックはどちらかといえば、ピンク・フロイドだったりするんで。


だからアリーナ・ロックだと思うミューズも欧米ではプログレッシブ・ロックの範疇に入ったりするんですよねー。



〈アルバム『パルス』について〉


ピンク・フロイドといえば、1960年代から活動するロック・バンドなんですが、ざっくり大きく時代分けすると、


・鬼才・シド・バレットがいたサイケデリック期(〜1968年)


・プログレッシブ・ロック期(ブレイン: ロジャー・ウォーターズ脱退まで 〜1985年)


新生ピンク・フロイド期(ブレイン: デヴィッド・ギルモア 1986年〜自然消滅まで)


となる訳なんですが、『パルス』が発売されたのは、デヴィッド・ギルモアがイニシャチブを取った時代なので、


アルバム1枚目は以降に発売されたアルバム『』や『』といったいわゆる

"新生ピンク・フロイド"の楽曲中心に過去曲が挟み込まれる曲順になっていて、


アルバム2枚目は、アルバム『狂気』の完全再現含め過去曲オンリーの楽曲


となってます。



ここで『パルス』収録曲をご紹介。

〈Disk1〉
1. Shine On You Crazy Diamond, Prt. 1-5 
 & 7(クレイジー・ダイアモンド)
 アルバム 『Wish You Are Here(炎〜あなたがここにいてほしい』(1975.9.15発売)収録曲

Wish You Are Here



2. Astronomy Domine(天の支配)
アルバム『The Piper at the Gates of Dawn(夜明けの口笛吹き)』(1967.8.5発売)収録曲

The Piper at the Gates of Dawn



3. What Do You Want From Me?(ホワット・ドゥー・ユー・ウォント)
アルバム『The Division Bell(対/TSUI)』(1994.3.30発売)収録曲

The Division Bell



4. Learning to Fly(幻の翼)
アルバム『A Momentary Lapse of Reason(鬱)』(1987.9.8発売)収録曲

A Momentary Lapse of Reason



5. Keep Talking(キープ・トーキング)
6. Coming Back to Life(転生)
アルバム『The Division Bell(対/TSUI)』(1994.3.30発売)収録曲

7. Hey You(ヘイ・ユウ)
アルバム『The Wall(ザ・ウォール)』(1979.11.30発売)収録曲

The Wall



8. A Great Day For Freedom(壁が崩壊した日)
アルバム『The Division Bell(対/TSUI)』(1994.3.30発売)収録曲

9. Sorrow(時のない世界)
アルバム『A Momentary Lapse of Reason(鬱)』(1987.9.8発売)収録曲

10. High Hopes(運命の鐘)
アルバム『The Division Bell(対/TSUI)』(1994.3.30発売)収録曲

11. Another Brick In the Wall, Part.2
(アナザー・ブリック・イン・ザ・ウォール(パート2))
アルバム『The Wall(ザ・ウォール)』(1979.11.30発売)収録曲

12. One of These Days(吹けよ風、呼べよ嵐)
アルバム『Meddle(おせっかい)』(1971.11.11発売)収録曲

Meddle




〈Disk2〉
1. Speak to Me (スピーク・トゥ・ミー)
2. Breathe(In the Air)(生命の息吹)
3. On The Run(走り回って)
4. Time(タイム)
5. The Great Gig In the Sky(虚空のスキャット)
6. Money(マネー)
7. Us and Them(アス・アンド・ゼム)
8. Any Colour You Like(望みの色を)
9. Brain Damage(狂人は心に)
10. Eclipse(狂気日食)
アルバム『The Dark Side of the Moon(狂気)』(1973.3.1発売)を収録順に完全再現

The Dark Side of the Moon



11. Wish You Are Here(あなたがここにいてほしい)
アルバム 『Wish You Are Here(炎〜あなたがここにいてほしい』(1975.9.15発売)収録曲

12. Comfortably Numb(コンフォタブリー・ナム)
13. Run Like Hell(ラン・ライク・ヘル)
アルバム『The Wall(ザ・ウォール)』(1979.11.30発売)収録曲

〈おまけ〉

アルバム『パルス』の楽曲を調べてて気がついたんですけど、ピンク・フロイドの何曲かにメタリカも愛したN.W.O.B.H.M.(ニュー・ウェーヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘビー・メタル)のバンドの楽曲名と同一のものがいくつかありました。

One of These Days →Trespassの曲
On The Run→Crucifixionの曲
Run Like Hell→Tankの曲

実はこれら3つのバンドは、イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿出身
だったりします。

Tygers of Pan TangSaxon、さらにはDiamond Headといった有名どころ含めN.W.O.B.H.M.のバンド、実はイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿出身が多いんですよね。

さらに現代のバンド、ミューズやメタルコア・バンド、Bring Me The Horizon、現代のプログレッシブ・ロックとも評された『OK Computer』を1997年に送り出したRadiohead(レディオヘッド)などもイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿。

更にいえば、キング・クリムゾンイエスもイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿。

また更にいえば、セックス・ピストルズダムドザ・クラッシュといったパンク・バンドもイングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿。

イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿は、正に近代ロック/ポピュラー・ミュージックのるつぼ。

だから、N.W.O.B.H.M.のバンドはハードロックパンクプログレッシブ・ロックという一見相容れない対立する音楽をブレンダーにぶちまけて、異形な音楽を作ることが出来たのかな、と。
正に地域性が生み出したといえるかも。


N.W.O.B.H.M.を聴いたデンマーク🇩🇰出身のラーズ・ウルリッヒがアメリカ🇺🇸に渡りメタリカを結成し、
さらにその後テレビゲームに収録されたメタリカの曲で遊んでいたメキシコ🇲🇽の三姉妹が、メタリカのメンバーの目に止まり、本当のバンドを結成し、
プログレッシブ・ロックの影響を受けたオルタナ・バンドに夢中になり、
さらにその影響を知ってか知らずか、そのプログレッシブ・ロック・バンドのギタリストをも好きになってしまうという
まさに奇跡。


なんというか、音楽は凄いなあ。


ピンク・フロイドの曲名「Money」はザ・ウォーニングの曲名にもなってますね。


そうそう、ザ・ウォーニング新曲の「More」の曲名も、ピンク・フロイドがサントラを担当した映画の題名でしたね。



〈さらにおまけ〉


「Wish You Are Here」

という曲名が

あなたがここにいてほしい


という和訳(わやく)になった理由。


ピンク・フロイド側から「この日本語にして欲しい」との指定だったそうです。




この和訳、なんだか昔から好きな言葉なんですよねー。






〈その4に続く〉