「袖の下」とは・・・人目につかないように袖の下から内密に贈る品物やお金で「袖の下を使う」「袖の下を握らせる」とも言いますね。
袖の下を英語に訳すと money under the table, bribe・・・・・その行為を一般人でなくて公務員が行使すればワイロとなり罰せられます。
ワイロと聞いただけで「・・・私には関係ないわ!」と思うでしょう・・・でもそうでもないのです・・・・例えば、あなたにとって大事なお客さんをある一流温泉旅館に招待したとしましょう。
その際、お世話になる部屋付きの女中さんに心づけ(チップ)を渡たす習慣がありますよね。 最後チェックアウトの朝に渡すとそれはTip 心づけですが
到着後すぐに挨拶に訪れた直後彼女に渡すのは「袖の下」ワイロなのです。 つまり、「これだけのお金を内緒であげるので特別サービスしてネ」
という意味が込められているのです。
あなたの愛娘が どうしても来春「宝塚歌劇団」に入学したいと熱望しています。 そんな折、親しい友達からの電話があり、“ 実は私の親戚が「入学審査員」です。金品の贈与はもちろん必要はないのですが、何かささやかな品物を事前に用意すればあなたの娘さんの夢がかなうかも知れませんね “・・・と誘いを受けた場合あなたならどうされますか?
その場合はあっさりお断りして「わたくしの娘は才色兼備、そんな袖の下は必要ありません」と撥ね付けられますか?「 それはご親切にありがとうございます・・・・」と答えるのが人情でしょう・・・・これを断るタイプの人を「清廉潔白症」と言います。
多少、次元も価値観も違いますが、終戦直後、ヤミ米を拒んで餓死した高校教師と判事の実話は社会に衝撃を与えましたが、昔は国策を厳守すれば命を落とす事もありました。
某公立病院の話。”暗黙の了解” と称して、ガン手術一回で最低3万円は包むそうです。 お医者さんに謝礼を渡すのが普通なようですね。
このような「悪習」は、贈収賄罪・所得税法違反など、厳格に適用して早く根絶すべきものなのでしょうが・・・・
ある医療雑誌によると「患者からの謝礼金、受け取る医師が8割
」と言った記事が掲載されていましたが、これって勿論、課税申告はしないから脱税ですね。医者は誰も見ていないところで受け取ることが可能なので、平気で受け取るのでしょう。「謝礼」ならば法令に抵触する場合があるのでこの場合、お医者さんは「研究費」として処理、または「技術料」にすぐさま頭の中で勝手に変換するようです。
ある実話・・・「先日、父が某国立大學付属病院でガンの手術を受けました。幸い、手術は無事終わり、経過も良好で無事退院いたしました」
ところが、父方の親戚筋から「手術後、執刀医へ30万~50万円の謝礼を渡すのは慣例だから渡すように」と言われ、結局私の母は不本意ながら周りの圧力に屈し退院時に医師への謝礼金30万円を渡したところ、先生はすんなり受け取ったそうです。これはワイロの範疇でしょうね。
ある産婦人科の先生、無事出産のお礼に金一封を渡そうとしたところ、一瞬たじろぎ「ポケットに押し込んで」と云われました。つまり、病院長から「謝礼受取りは一切まかりならぬ!」とのお達しがあるので、患者さんが無理やりポケットに押し込むのは別儀・・・という解釈でしょう。
多くの公立病院では「心付けなど一切無用」という意味の貼り紙がしてあります。 が・・・「正直者はバカを見る」という諺もあります。
手術の日程、医療保険の有利な扱い、病室の割り当て、ベテラン看護師の配属、手術経験の豊富なベテラン医師による執刀など いろいろ特典が用意されている場合もあります。だからといって、法律として「受け取ったら犯罪!」とあからさまに規定するのもはばかります。
保育園の先生などは、最近では卒園のお礼のお花でさえ固辞するくらい、公務員の「謝礼」対応は厳しく言われている感じがしますが・・・・
医者という職業はまだまだ名誉職的な感じが残っているのかもしれません。
私が現役時代、大阪市内の「産婦人科病院」にご家族の海外旅行代金300万円余りを集金に訪れたら・・・なんと、なんと・・・すべて現金で渡されました。先生曰く・・・「CASHを銀行に預けたら税金の対象になる、バレる・・・」と小声で言うのです。
意味おわかりですか・・・患者さんや親族からの謝礼金を銀行に預けずに自宅の裏のガレージに保管していたのです。 それも億という大金です・・・・
妊娠初診の診察料 、妊娠中絶の手術料 、 一週間後の診察料、入院患者からの礼金などすべて「CASH取引」にてどう処理するのは医師の考え次第です。
中央鮮魚卸市場と旅館、ホテル、料理店間の不合理な「バックマージン」(リベート)の例を挙げます。 NHK朝ドラ「どんと晴れ」でも同じようなシナリオがありましたね。
鮮魚屋さんが、旅館、ホテルに新鮮な魚を卸すとき、正規の卸売り価格を店主から受け取り、その売リ上げの10%前後がバックマージンとなって、調理士(板長)さんに渡される習慣があります。
というのは、板長さんは仕事で負う重い比重の責任の割には、給与が少なく、一生食いはぐれがない職業とはいえ十分に報われていません。
そのくせ、旅館・ホテルが持つ魅力、集客力、サービスの根幹(料理の味や、見栄え、センス)の部分を全部任されています。料理店や旅館ホテルの良し悪しは板長の腕次第という側面が強くなります。
一方、板長さんは、古い徒弟制度の中にいる為、弟分の生活費の支払いまで面倒を見る習慣があります。実は、板長さんは、バックマージン(リベート)でその分のやり繰りをします。
別途、出入りの「酒店さん」も同じような習慣を何百年前から続けています。 東京帝国ホテルでは料理長は取締役にしています。 そういった古い因習から脱却する為です。