不滅の大英帝国 | SKYのブログ

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オーストラリア、シドニーから

皆様ご存じの通り、オーストラリアの国家元首はエリザベス女王です。 

日本流に言えば国家元首に「忠誠」を尽くさなくてはなりません。

私もオーストラリア国籍なのでQueen Elizabeth Ⅱ世をなおざりにできません。 御年88歳、平成天皇(80)よりも・・・8歳年上です。

あと何年長寿を全うされるかわかりませんが、もし崩御されても、英連邦は西暦のまま、年号は何の変化もありません。


21世紀の近代においても、このように依然として植民地時代の「宗主国」の名残が残っている国などはたくさんあります。

英連邦は最初、英国、カナダ、インド、オーストラリア、ニュージーランド、パキスタン、南アフリカ、スリランカの8ヶ国だけで構成されていました。 

1950年代後半にアフリカ、アジア、西インド諸島、太平洋の英国の元植民地が自発的に加盟し、現在の英連邦54ヶ国(約17億人)となりました。

(内訳は33ヶ国が共和国、16ヶ国がエリザベス女王を国家元首とする立憲君主国、そして残りの5ヶ国には独自の君主がいます。) 


そんな訳にて、英連邦の元首はエリザベス女王ですが、加盟するそれぞれの共和国には大統領がいますし、独自の君主がいる国においてもエリザベス女王は “元首” ではありません。
英国王が元首の国ではたいてい、王の代理人としての総督が現地に派遣されて “元首” としての機能を果たしています。かつて英国領の Hong Kong 香港にも総督がいました。 豪州も同じく総督がいます。

 

54カ国の内、33ヶ国は共和国となっていますが、未だ16ヶ国は(オーストラルア、カナダも含む)エリザベス女王を国家元首とする立憲君主国のままです。かっての勢いを失ったとはいえ、大英帝国は永遠に不滅なのです・・・・・ まだまだ、植民地支配の面影が少し残っています。

そのオーストラリアも1972 (昭和47)「白豪主義」の撤廃を宣言してアジアの一員となり、アジアからの人口流入が少しずつ増え始めています。


現在アジア系は総人口の6%程度ですが、今後経済大国中国からの富裕層を呼び込んで経済の活性化を図ろうとしています。資金難に悩むNSW政府(シドニー)は$2.5Million (2億2千万円)を豪州銀行に最低4年間預ければ、オーストラリア永住権を与えるという新戦術を発表しました。

(移住政策は経済状況の変化に応じて毎年、その制度が細かく変更、修正されています)


富裕層が豪州に集まれば、それだけ経済が潤って景気が戻ると信じています。 昨今は、経済大国となった中国からの高級官僚の家族流入が急増しています。

経済が減速すると、大英帝国の一員であろうが、なかろうが、うまく生き抜くことを考えるのが今時の政府役人でしょう


「大英帝国は永遠に不滅です!」と言葉もだいぶ色あせてきました。 たしかに、只今、経済的に英国は衰退しているようです。為替レートからでも一部読み取れます。 米ドルが360円時代、英国ポンドの相場は1ポンド\1008円でした。1949年から1967年まで \1008、 1967年から1971年まで¥864、 2007年 ¥241~¥226、 現在の為替相場は約¥178 と凄まじい変動ぶりです。


英国が衰退した主な原因は、何といっても、国力を支えてきた、インドなどのドル箱植民地を失ったからでしょう。インドなどの産物の輸出で儲けた金額(貿易黒字)が19世紀末~20世紀前半のイギリスの財政を支えたのですが、ついに1947年にインド独立。その後、19461960年にかけて、その他のイギリス植民地も次々、独立を果たし、イギリス本土と、北アイルランド、および大西洋・太平洋の諸島に残る小さな植民地だけと、現在の人口6000万人あまりの国になってしまっています。


従って軍事的には、第二次大戦で太平洋やインド洋の制海権も、米国に引き渡しましたので、世界の海を支配してきた海軍力も北大西洋の一部だけに縮小しています。
昔からの諺に「栄枯盛衰」という名言があります。 “栄えるものはいつか必ず衰退してゆく” と・・・・・