豪州産のお米について | SKYのブログ

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オーストラリア、シドニーから

オーストラリアのお米作りは主にNSW州の南西部(シドニーの南西600km)のマーレー川周辺の豊富な水を利用した灌漑設備地域で行われています。


愛媛県、松山藩の高須賀穣という人(慶応大学から米国ウエストミンスター大学卒業後、帰国して第5回衆議院議員に当選)が1905年に豪州に移住、日本から輸入したもみをまき、何度も失敗を繰り返し 挑戦5回目、1921年に成功、大豊作となって今日のコメ作りの基礎となっています。


お米の原種は「ジャポニカ米」。 シドニーで市販されている主なブランドは「サンライズ」ですが現在では品種も改良されて「あきた小町」ブランドも作っています。

しかし・・・日本原産の「コシヒカリ」「ササニシキ」にはいまだ量産はされていません。 それでも、日本からのNEWSでは、スーパー西友で豪州米を販売、また牛丼チェーンの大手松屋がお米を国産から豪州米に変えたと発表がありましたが、静かな人気があるようですね。

 

国産より10%程安いとか・・・・ 本来ならば、日本市価の半額で販売できるのですが、日本政府が農家を守るために輸入米に多額の課税をしているので仕方ありません。

温暖な気候の為、1か月程で稲作の穂がでて、毎年4月(秋)の収穫期前には黄金色に輝きます。 現在は13万ヘクタール(生産量100万トン)で稲作を行っています。

今年は背が低く稲穂が倒れにくい「コシヒカリ」の試験栽培に成功したので、来年から高品質のお米の収穫を少し増やして日本市場に売り込む計画です。


豪州米は、2千種をこすパックサイズとブランド名で出荷されています。海外へ

は、赤道を越える輸送の工夫をし、毎年、生産量の90%以上を世界50か国以上へ輸出しています。日本のお米の生産量は850万トン、豪州はその8分の1ですが、平坦で広大な土地が限りなく利用できるので、将来、灌漑用水を整備すれば世界の市場を席巻する可能性を秘めています。


豪州米、シドニーでのマーケット小売り価格は10kg袋入り $23ドル  日本市価の半値です。 日本の食材は日本市価の2倍するのですが、お米だけは特別に安いのです。カリフォルニア米もほぼ同じ位の値段または豪州米の20%Upです。カリフォルニア米には「コシヒカリ」「ササニシキ」の種を改良して豪州米より美味しいお米もあります。但し、日本からの輸入米、コシヒカリ, 秋田こまち などは豪州国産のお米の2倍半します。 10kg $58ドル    

*1豪州ドル=¥90~¥100

1998年、豪州に移住した頃は、朝食はパン、バターなど洋風の食生活になった為、10kg入りのお米を買ったら食べるのに、半年はかかったのですが、現在では昔馴染んだお米がとても美味しく感じるようになって頻繁にお米をマーケットで買うようになりました。


皆さんには余り馴染みがないと思いますが、ある友達が「韓国産のお米がおいし~い」というので韓国マーケットに立ち寄って試しに買ったら、値段は日本産より約3割安くて、味も日本のこしひかり、ササニシキに酷似。 10kg 45ドル、どうやら、日本の高級米のモミを日本から輸入して作付けしたらしいとのこと。 これから人気がでそうな味と値段です。


ところが困ったことに10kg袋はすべて韓国のハングル文字、英語が1文字もない。お店の人に袋の中身を質問しても、こちらの英語が通じない、相手の韓国語はわからない・・・・こんなトンチンカンなことは日常茶飯です。

考えてみれば、私も英語が解らなかったり、また、 何かハプニングが起こると平気で “関西弁” でしゃべりまくっているので・・・・マァー似たり寄ったりかも?・・・英語がまったくしゃべれなくても、外国に住むことはできるのですよ・・・


中国産の食材は何が入っているか疑心暗鬼を生ずるため、不買を決めている日本人もいますが、KOREA産は隠れた人気があります。例えば「韓国産のそば」は日本産のものよりはるかに美味しいと定評があります。 「韓国産のラーメン」も日本のラーメンを凌ぐメーカーが現れました。発展途上国、韓国は日々、切磋琢磨して「日本製に追いつき追い越せ」・・・・・日本にない “気迫、迫力” を感じます。


シドニーでは価格面で電化製品、自動車ともに韓国に追い越されています。 偏見のない豪州人は安ければ日本製、韓国製の区別なく買い求めます。今や、フィリッピン、インドネシャ、タイなどではKOREAN ブームです。 完全に市場を席巻しています。 日本で生活している日本人には全く知られていないですが、韓国車のデザインは斬新、すばらしい外観フレームです。 


トヨタ、日産を完全に超えています。デザインは主にドイツ、イタリアの一流設計者の案を積極的に取り入れています。 日本国内ではめったに路上を走ってはいないでしょうが・・・シドニーで走っている魅力的な車の多くがKOREAの車です。残念ながらBMW,ベンツ、日本車でもありません。 


韓国をバカにしてはいけません。  次世代には “HYUNDAI のHマークに良く似た車が時々走っているね。 たしか・・・HONDA とかいう車らしいが・・・” こんなセリフもあり得ます。 なにしろ、お隣の国、韓国は、将来日本を追い越す勢いです。 いや、日本以外のアジアではすでに凌駕しています。

アメリカに留学している日本人青年は約28,000人、これに対して韓国人青年は80,000人、人口比からみると約6倍の差、怒涛の勢いです。


ある人曰く「今、太陽が西に沈んでゆくのが・・・JAPAN、 東方からあさひが昇る国がKOREA ・・・・」 悔しいですが、現実です。昔あった「ハングリー精神」という言葉は、もう今の日本にはないのでしょうか?

只今、世界の人口68億人、日本人の割合は2%・・つまり、地球に住む98%は日本人にとって「外国人」なのです。この2%の人口の中から、将来有望な若者がもっと、もっと海外に雄飛をして、次世代の日本をもっと海外でも通用する国に牽引して欲しいのです。


同じく、海外に住む日本人は100万にちょっと、全人口のわずか1%程度、 これを先進国並みの3%に底上げする方法はないのでしょうか? 外国語に対して、強い畏怖の念、コンプレックスを抱くようにした旧文部省の責任は計り知れないほど大きいと言わざるとえません。

義務教育だけでも6年間、大学を入れると10年間も英語を勉強しながら 英字新聞は読めるが「日常会話」ができない 「半端人間に育てた日本の語学教育」にやっと目覚めて小学校から英語教育をはじめたようですが、時すでに遅し、日本は約70年も遅れをとりました。


日本は同一民族、同一言語、住むのには「便利、快適」な国です。・・・「安心、ぬるま湯」がベンチャー精神を取り去ったようです・・・・「安心、ぬるま湯」で自民党が抜本的な対策を怠ったまま、保守的な農家を一方的に優遇した結果、お米の値段がアジア諸国の倍以上する状態が半世紀以上続いています。 TTP交渉(インドネシア・バリ島)では例外なき関税撤廃を迫られて日本政府は苦慮しました。何れどこかの時点でこの保護政策の一角は崩れてゆくことでしょう。