飛行機乗りは大空を自由気ままに
飛び回っていると思われがちですが、
実は空にも地上と同じく「航空路」と
呼ばれる空の道があったり、速度の
制限があったりします。
日本では、管制圏の3,000ft 以下の
空域では200kt、管制圏のうち、3,000ft
を超える空域、および進入管制区の
10,000ft 以下の空域では250kt と定め
られています。管制圏内3,000ft 以下
では、レシプロエンジン機はさらに
160kt の制限がかかっています。
ホールディングと呼ばれる、旋回
空中待機の場合にも、速度制限が
あります。また、飛行場からの計器
出発方式、飛行場への計器到着
方式などにも「○○ポイントをxxxkt
で通過しなさい」といった速度制限が
付されていることがあります。
もちろん、航行の安全を図ることが
大前提ですが、仮に速度をオーバー
していても、オービスがあるわけでも
ありませんし、白バイが追いかけて
来るわけでもありません。
しかし、管制官はしっかりとレーダーで
見ています。速度超過で免停になった
パイロットの話は聞いたことがありませんが、
自分の前方に他機がいないからと
いって、管制官の許可なくブッ飛ばして
いいというわけではありません。
ごく稀に、赤灯を点滅させた戦闘機に
追いつかれることがありますが、
飛行機はセスナから戦闘機まで
「衝突防止灯」という赤の点滅灯を
装備していますので、これは警察では
ありません。それよりも、もっと怖い
「インターセプト(要撃)」された状態です。
こういったときは、左に寄って停まる
わけにもいきませんので、素直に
戦闘機の指示に従って最寄りの飛行場に
降りましょう。むやみに逆らうと「発砲」
される恐れがあります。
空でも、地上でも、速度は控えめに…