鹿児島空港ニアミス雑感 (上) | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 計器飛行で直線進入中だった
旅客機の前に有視界飛行の
小型機が割り込んできて、旅客機が
ゴーアラウンドしてしまった事件。

事故全体図

 まだ事故調査の最中だが、私の
見解としては、小型機が悪い。
もし小型機の機長が技能証明を
持ったパイロットだったら相当
ドン臭いヤツだっただろうし、訓練生
だった場合には教官が相当ドン
臭かったと思っている。訓練生の
単独飛行だったら… まぁ、罪一等
減じてやっても仕方がないかな?
 
 事件発生当時、管制官は下の
図のように飛行機たちを着陸させる
プランを描いていたはずである。

管制官のプラン


そして日本航空機には
 
 「Cleared to land.」
 
 新日本航空の小型機には
 
 「Follow JAL Boeing 767 on final」

ぐらいのアドバイスを添えたと思うが、
 
 「Continue (approach)」

の指示だったと推察する。

 アメリカの管制官だと2機まとめて

 「You are number 2, following JAL B767
xx miles on final. Cleared to land.」

と言ってしまう人もいるが、私の知る限り
日本人で2機同時に着陸許可を出す
管制官はいない。新日本航空側が
着陸許可をもらっていたというが、多分
聞き違いだろう。
 
 その結果、新日本航空機は進入中の
日本航空機に気づくことなく最初の図の
ような経路を通って滑走路へ進入して
しまった。
 
 ぶつからなかったことはもちろん、
双方の乗客乗員に怪我もなかったことが
幸い。だが、今回の事件、パイロットに
も嵌りやすい落とし穴があったと思う。

 その件に関しては次回。