ヒロシマ… ナガサキ… 一歩違ったら… | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

怒りの広島、祈りの長崎… 
今年もお盆の時期に合わせて
祈りを捧げる方も多いと思う。
 
 射出型ウラン弾だった広島型、
爆縮型プルトニウム弾だった
長崎型、アメリカはこの2発の
「実射実験」を経て、大戦後世界
有数の核保有国へとのし上がって
いった。
 
 一方、資料を紐解くと、大戦中、
わが国も原子爆弾の開発を
密かに進めていたらしい。東京
大空襲でその研究施設が破壊
されたため、断念せざるを得なかった
らしいが、もしタッチの差で日本が
原爆を手にしていたら…
あのときどうしていただろうか?
 
 ミッドウェイ海戦での歴史的敗北
以来制空権を失っていた日本には、
あの状況下でアメリカ本土まで原爆を
空輸する方法はなかっただろう。
 
 ではどこに?
 
 本土決戦の前の最終防衛線として、
沖縄を切り捨てたヤマトびと達は、
我々の先達である。記録からその
思考回路を考察すれば… 

 上陸してきた米軍の頭上へ…
 
 沖縄への原爆投下… 
考えられない話でもなかろう。
 
 広島、長崎の多くの遺族の涙は
まだ乾いていない。私の知人にも、
被爆体験をされたご家族を持たれる
方がいる。一歩違えば、我々が
加害者となっていた可能性もあったと
思う。それでも結果は同じだ。
非戦闘員の一般市民に多大な犠牲者を
出していただろう。
 
 どちらがいいという話ではない。
しかし、戦争は時として、こうして
非戦闘員をも無慈悲に殺戮してしまう。
どこでボタンを掛け違ったのか? 
 
 敗戦から70年、わが国は、遠いどこかの
国で見ず知らずの人を殺せるように
法律を改正した。今度は我々が加害者と
なるのか? 勝ったほうも負けたほうも、
残された家族が本当の被害者だと、なぜ
気づかないのか? 首相は、どんな思いで
広島、長崎の慰霊式典に参列したのだろうか?