あえて空を飛ぶはなしのカテゴリーかな?
高校野球、世界水泳、テニス… 日本で、
世界で頂上を目指して選手たちが競う。
代表になるまでに、今のポジションを得る
ために、どれだけの努力をしたのだろう?
努力が実を結ぶこともなく涙を飲んだ者たちも
また数多くいる。
登りつめても、そこはゴールではない。
そこから更なる高みが見えてくる。後ろからは
ライバルが必死に追いかけてくる。立ち止まる
ことはゼロではない。むしろマイナス。
運動だけではない。受験とかでもそうだろう。
どれだけ準備をしたか? どれだけ努力を
したか? すればするだけ不安が広がっていく。
大舞台の前、よく準備をした者ほど襲われる
言いようのない不安。
それを振り払うように呟く。
「自分を信じて」
「自分がやってきたことを信じて」
やってきたことをすべてを出し切るしかない。
自分を信じる… だから「自信」…
離陸の前、滑走路に正対し、スロットルレバーに
力を込めるほんの刹那、不安に襲われることが
ある。1秒もないその瞬間に、(天気は本当に
大丈夫か?) (エンジンは大丈夫か?) (飛行中に
故障や火災が起きたらどうする?)
それを振り払うのも「自信」
ラグビーをやっていた学生時代、大試合の前に
逃げ出したいぐらいの不安に襲われ、競技場に
向かって歩き出せないぐらいに硬直した心と
身体をほぐしたのも、この「自信」
(菅平であれだけ組んだんだから負けるわけがない)
(あの憧れの先輩に代わって出場できるだけの力を
チームメイトが認めてくれているんだ) 自分で
自分を奮い立たせた。今までやってきたことを信じて。
それは今も同じ。天気も十分にチェックをしている。
機体も飛行前に心を込めて点検した。何よりも、
自分には経験がある。何度も何度も、それこそ
寝ていてもできるぐらいに緊急操作は訓練を繰り
返してきた。 3段構え、4段構えの緊急事態への
シミュレーションも、準備もしている。
大丈夫。俺は飛べる…
地上にいるときには世界一臆病者で、ひとたび
離陸したら世界一上手いと思おう。自分を信じて
飛ぼう…
勝った者、記録を作った者が見せる涙、嬉しさも
あるだろうが、自分を信じた結果の、安堵の涙も
あるのかもしれない。さすがに私は無事に着陸
したぐらいでは泣かないが…
立ち止まったらそれは後退。アスリートも、受験生も、
そしてパイロットも… 「今」は通過点。来るべき
大舞台のために、「信じることのできる」自分を作る
ために「今」を頑張っている。立ち止まらずに。
努力… なんて仰々しいことはしなくてもいい。
あなたも… 「自分」を「信じる」ことができるように…
それが一歩目…