今夜も長いよ…
調布の墜落事故以来、俄かに
航空関連の話題が巷を席巻して
いるが、小型機乗りの目から
見て、8割いい加減かウソ、
2割が的を射た、あるいは正しい
記述という感覚。
新聞やテレビといった主要
メディアがそう言っているから…
信じてしまう人もいるだろうが、
どうしてどうして!(笑) 結構
いい加減なことを書いたり
言ったりしている。事故調査
報告書が出ていないので誰も
確定した原因を言い当てる
ことが出来ない今、全ての報道は
「推測」をもとになされなければ
ならないが、ド素人のSFまがいの
推理や、「犯人」の決め打ちなどが、
まことしとやかに垂れ流され
続けるにつけ、まだまだこの国の
マスメディアの未熟さを見せ
つけられているここ数日である。
マスメディアでさえこのような
体たらくだから、2ちゃんねるなどの
インターネット系の情報は、まさに
目を覆わんばかりである。
「お前、何も知らないようだから
書いておいてやるけれども…」と
前置きして、思いっきり間違って
いることを書かれていたりすると、
飯を吹き出しそうになったり、
深夜に1人で声を出して笑って
しまったり…
今回の調布の一件は、当該
航空機も知っていたし、所有者の
ベルハンドさん、管理委託先の
日本エアロテックさんも良く知る
私としては、調布からの運航なども
踏まえて、このような「メディア」と
呼ばれる場所から、いかにいい加減な
情報が垂れ流されているのかを
目の当たりにする恐ろしい機会と
なった。
自分がある程度深く関わっている
世界で、しかもよく飛んでいる場所が
舞台となっているので、情報の真偽を
見分けることができるが、これがもし
自分の全く知らない場所や分野で
起きたできごとだったとしたら、
(ふ~ん、そんなものなのかぁ…)で
納得してしまう危険性すらある。
新聞は疑ってかかれ… 高校の
先生や大学の専攻でも幾度となく
聞かされた言葉ではあったが、こと
事態が専門的になればなるほど、
いわゆる「知ったか」ぶりの俄か
専門家が出てきて間違った情報を
流布することがあるのだと実感。
いい加減な情報もさることながら、
トカゲの尻尾切りのように、死人に
口なしをいいことに、死亡した機長に
すべてを被せて被疑者死亡のまま
業務上過失で送検してチャンチャン…
という幕引きを創り出そうとしている
今の雰囲気が一番気に入らない。
亡くなった機長とは面識はないが、
仮に彼の運航技術に誤りがあったと
しても、事故はそれだけで起きるもの
ではない。幾つもの鎖が繋がって
初めて事故が起きるわけだから、
それを断ち切ることができなかった
周囲も責任を感じるべきなのに、
誰からもそのような言葉だ出て
こないのがこれまた非常に残念に
思えるここ数日。