NOTAMぐらい読め! | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

PTD ~ Pilot To Dispatch ~

ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 何でこんな時期にやるのかと
言われれば、それも正しい。
現に私はこの日程に反対した。
 
 只今我が飛行場、ILS(計器
進入装置)が機材交換で停止
している。悪天候時に電波の
道を照射し、進入機を正確に
滑走路まで導いてくれるこの
重要な計器を、なぜ梅雨時に
止める? 運航の現場を知る
ことのない役所や会計や契約
関係などの連中が、自分達の
都合だけで現場作業を運ぼうと
するから、こんなことになるのだ。
 
 こんな時期に工事をするほうも
するほうだが、NOTAMを出して
いるのに、ILSが使えない時間に
わざわざ到着する間抜けな便も
いる。24時間止めているわけでは
ないのだから、なんで運用を再開
するまで待たないんだよ…
 
 出発地の運航管理が電話を
かけてきて、「機長がILSがないと
降りられないといっているから
作動させてくれ」というので、
即答で断る。こっちも一刻も早く
工事を終わらせる必要がある。
 
 散々押し問答したが、ダメな
ものはダメ。「どうしてもILSを使い
タイにならばスコーク77(遭難
信号)を出せ。そうでなければ
代替空港へ行かせろ」と電話を
叩き切ったが、結局その便は
他の進入方式を使って無事に
降りてきた。
 
 まぁ、本当に気象条件が
悪かったらILSの電源を投入
してやるつもりで準備はして
いたのだが、取り越し苦労だった。
 
 向こうもこっちも、飛んだ
ことのないヤツが運航に携わると
ロクなことがない。現場の仕事を
理解しろとは言わんが、せめて
耳を傾けるぐらいはしてほしい
今日この頃である。