飛行機の「エサ」 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 昨日のエンジンの話で、ある方から
「飛行機の燃料って何ですか?」という
ご質問をいただいた。ちょうどいいので
記事にしてしまおう。
 
 私のセスナの燃料は「ガソリン」です。
セスナのような小型機の動力源は、
自動車と同じレシプロエンジンです。
水平対向4気筒のエンジンで180馬力…
そこいらのスポーツカーより全然貧弱な
エンジンです(笑)
 
 自動車と同じ原理のエンジンですから、
燃料も同じガソリン。ただし、「AV GAS(航空
ガソリン)」と呼ばれる、自動車のハイオクの、
さらにそのまた上を行くようなオクタン価の
ガソリンです。そして、気温の低い上空での
着火性を良くするために、4エチル鉛という
猛毒の添加剤を加えた「有鉛ガソリン」です。
 
 蒸気は身体に有害ですし、着火性は
極めて良いので、取り扱いは要注意。
冬場は特に、静電気などで「パチン」と
やったら即「ドカン」です。寒いからといって
フリース着用なんかはもってのほか。
 
 飛行機の燃料だから車に入れれば
さぞかしよく走るだろう… って?
いえいえ、有鉛ガソリンだから、自動車に
入れたら壊れちゃいますよ!

 それに、リッター300円以上しますよ!
そんな高価な燃料を、時間当たり30ℓも
燃やしながら飛ぶセスナちゃん…
意外に大メシ食らいです。