成田空港雑感 | PTD ~ Pilot To Dispatch ~

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ヒコーキオヤジのひとりごと
 空の話、ときどきタイのネタ…

 先日の香港からの帰り、成田のB滑走路に
北側から降りる「16L」を初めて体験した。短い
ほうの滑走路(それでも2,500mはある)にB747で
降りたのは初めてだったし、それまではこの
滑走路を北向きに使う「34R」に降りていたので、
機窓からは違った景色を楽しめた。
 
 翼端いっぱいいっぱい
 
 ただ、この滑走路、反体制派の嫌がらせで
土地が取得できず、北側に大きくずれこむ形で
設置されている。しかも誘導路から駐機場
地区への取り付けも非常に狭く、ジャンボだと
写真のように翼端がギリギリである。
 
 計画時のB滑走路構想
 
 汚い図で恐縮だが、本来なら手書きで記入した
ようなレイアウトで滑走路が出来ていなければ
ならなかったのだが、実際は下の写真のように
接地点の手前に大きく未接収地が口を開け、とても
滑走路末端とはいえないような異形を呈している。
  
B滑走路南端からの俯瞰(延長前)
  
 羽田が国際線に復帰し、夜間枠だけではなく、
昼間にもどんどん発着枠が割り振られて来て
いる今、成田から羽田発着に路線をシフトする
航空会社も出始めている。
 
 千葉県は、本気で成田を守り、発展させていく
気持ちはあるのだろうか? 反社会的組織が
怖くて滑走路は作れません。運用時間制限は
変えません。アクセス改善もしません。でも
国際線は成田からじゃないとだめです…
なんてムシのいい話はもう通用しない。

 航空旅客が羽田の便利さを知ってしまった今、
本気でハブ政策に取り組んでいかなければ、
やがて成田はLCCと貨物だけになってしまうだろう。
国が持ってきたお荷物だから国が責任を取れと
いうならばそれでもいい。羽田に国際線機能を
集約させればいいだけの事だ。再々拡張の
手間はかかるが…
 
 反対派の土地を接収し、反社会分子を駆逐し、
B滑走路を本来の位置から供用できれば、
すでに2,500mある滑走路はA滑走路と同じ
規模で運用できるようになる。しかも成田は
双方の滑走路が離れているので、同時
離発着が可能だ。 これは羽田には出来ない
アドバンテージである。
 
 成田を生かすも殺すも、まずは地元千葉県。
どうしたいのか? その意思表示がなければ
中央政府も動くまい。